中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。11月の中国経済統計が弱い内容となる中、当局は景気支援の動きを強めるとの見方が改めて意識されている。エコノミストからは、中国政府は近く金融緩和策を打ち出す見通しとの声も聞かれた。中国当局の株価対策も追い風。国務院国有資産監督管理委員会は17日、中央企業傘下企業の価値向上に向け、現金配当引き上げなど、時価総額管理の強化を要求した。政府系の銘柄群に買いが先行している。ただ、上値は限定的。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表(日本時間19日未明)を前に、様子見ムードも漂っている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が5.5%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が4.1%高、江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)が3.9%高と上げが目立った。
セクター別では、自動車が高い。理想や吉利のほか、浙江零ホウ科技(9863/HK)が6.4%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が6.3%、東風汽車集団(489/HK)が6.1%ずつ上昇した。華晨中国汽車については、株主還元の強化方針もプラス。
ゼネコンや建材(セメント、鉄鋼)のインフラ建設セクターも買われる。中国交通建設(1800/HK)が4.3%高、中国中鉄(390/HK)が3.7%高、中国鉄建(1186/HK)が3.1%高、中国西部水泥(2233/HK)が3.6%高、華潤建材科技HD(1313/HK)が1.8%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.7%高、鞍鋼(347/HK)が2.0%高で取引を終えた。
中国発電セクターもしっかり。華電国際電力(1071/HK)が3.7%高、龍源電力集団(916/HK)が3.4%高、中国電力国際発展(2380/HK)と華潤電力HD(836/HK)がそろって2.0%高と値を上げた。
半導体やAI(人工知能)関連の銘柄も物色される。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.8%高、華虹半導体(1347/HK)と上海復旦微電子集団(1385/HK)がそろって2.7%高、北京第四範式智能技術(6682/HK)が9.5%高、青島創新奇智科技集団(2121/HK)が4.8%高で引けた。
半面、空運セクターはさえない。国泰航空(293/HK)と中国国際航空(753/HK)がそろって2.2%、中国南方航空(1055/HK)が2.0%、中国東方航空(670/HK)が1.5%ずつ下落した。
一方、本土マーケットも4日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.62%高の3382.21ポイントで取引を終了した。ハイテクが高い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)