米長期金利の低下が好感される流れ。昨夜の米債券市場では、米10年債利回りの低下が続き、一時、昨年12月中旬以来の安値を付けた。米景況感の悪化を受け、米連邦準備理事会(FRB)は年内に一段の利下げに踏み切るとの見方が再び広がっている。中国の景気対策に対する期待感も持続。足元の景況感が悪化する中、当局は景気浮揚のため、金融緩和など追加の経済対策を策定するとの観測も根強い状況だ。また、中国スタートアップ企業、「ディープシーク(深度求索)」が低コストで高性能な生成人工知能(AI)を開発したことも改めてクローズアップされる。エレクトロニクスやデータセンター、ソフトウエアまで、恩恵を受けやすい広範囲な銘柄群に買いが入った。ただ、上値は限定的。関税を巡る米中対立に対する懸念が依然としてくすぶっている。指数は安く推移する場面もあった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が8.4%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が5.9%高、電子機器受託製造サービス(EMS)の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が5.6%高と上げが目立った。
セクター別では、半導体・人工知能(AI)関連が高い。
スマートフォン関連もしっかり。舜宇やBYDエレクのほか、高偉電子(1415/HK)が9.7%高、瑞声科技HD(2018/HK)が4.6%高、丘タイ科技(1478/HK)が2.7%高で引けた。
半面、自動車セクターはさえない。華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.1%、東風汽車集団(489/HK)と蔚来集団(9866/HK)がそろって2.0%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が1.3%ずつ下落した。
一方、本土マーケットは3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.76%高の3254.12ポイントで取引を終了した。ハイテクが高い。軍事関連、不動産、消費関連、医薬、インフラ建設、保険・証券なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)