利食い売りが優勢となる流れ。先週のハンセン指数は4.0%上昇し、約3年ぶりの高値を更新していた。また、先週の米株が大幅に下落したことや、米中関係の悪化も不安視されている。ただ、下値は限定的。各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕を来週(3月5日)に控え、中国の政策に対する期待感も高まっている。指数はプラス圏で推移する場面もあった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連の下げが目立つ。無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が10.1%安、薬明生物技術(2269/HK)が9.0%安で引けた。ほか、指数構成銘柄ではないが、薬明合聯生物技術(2268/HK)が9.6%安、来凱医薬(2105/HK)が8.7%安、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が7.7%安と売られている。米国事業の先行きを不安視。トランプ米大統領は21日、先端技術や重要インフラ、医療など安全保障に関わる戦略部門への中国からの対米投資を制限するよう関係部局に指示した。
クラウド関連の銘柄も安い。
半面、本土・香港の不動産セクターは高い。中国金茂HD(817/HK)が7.0%、融創中国HD(1918/HK)が6.8%、中国海外発展(688/HK)が4.0%、新世界発展(17/HK)が6.8%、新鴻基地産発展(16/HK)が3.8%ずつ上昇した。中国海外発展など国有デベロッパーの一部が再び希望価格を上回る水準で土地を取得し始めていると伝わり、不動産市場が安定化する兆しだとの見方が広がっている。新世界発展は中間決算の赤字計上見通しを明らかにしたが、嫌気する売りは限定された。
他の個別株動向では、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が5.2%高。同社が報告した2024年通期決算は前年比5割増益となり、6期ぶりに期末配当を実施する方針を明らかにしたことが刺激材料だ。同業他社株にも買いが波及している。
そのほか、ハンセン科技指数に新規組み入れが決まった銘柄が急伸。音楽配信大手の騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:1698/HK)が9.5%高、自動運転向けAI(人工知能)のスタートアップ企業、地平線(9660/HK)が4.8%高と買われた(組み入れは3月10日付で発効)。
一方、本土マーケットは小反落。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)