中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。国営メディアは26日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議が9月8~12日に北京で開催されると報じた。会議の決定内容については、最終日に国営メディアが詳細を報じるのが通例だ。中国当局はこのところ、不動産支援や消費刺激、過当競争是正など景気対策を相次ぎ打ち出している。ただ、上値は重い。米関税政策の不透明感がくすぶっている。米政府は27日、ロシア制裁の一環として、同国産の原油を輸入しているインドに対し25%の追加関税(最大合計50%)を発動。ロシア産原油は中国も輸入しているため、関税交渉が厳しいものになると不安視された。また、トランプ米大統領は25日、韓国大統領との会談中に、中国がレアアース(希土類)磁石の米国向け輸出を再び止めれば「200%関税」を課すことになると記者団に述べている。
朝方公表された中国工業企業の利益総額は、今年1~7月に前年同期比1.7%減となり、1~6月の1.8%減から減少幅がやや縮小している。相場に与える影響は限定された。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉(9633/HK)が6.8%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6.4%高と上げが目立った。
セクター別では、半導体や人工知能(AI)技術、クラウド、ロボットなどハイテクが高い。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6.4%、華虹半導体(1347/HK)が4.1%、商湯集団(センスタイム・グループ:20/HK)が11.5%、北京第四範式智能技術(6682/HK)が8.2%、金山雲(3896/HK)が5.1%、金蝶国際軟件集団(268/HK)が2.5%、深セン市優必選科技(9880/HK)が2.8%、深セン市越疆科技(2432/HK)が2.6%ずつ上昇した。政策支援の動きが期待される。中国の国務院(内閣に相当)は26日、今後10年間のAI戦略をまとめた「『AI+』行動のさらなる実施に関する意見」を発表した。
レアメタル・非鉄関連もしっかり。希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が4.0%高、アルミニウム中国最大手の中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が2.2%高、非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が1.9%高、リチウム大手の天斉リ業(9696/HK)が1.8%高で引けた。
半面、中国の不動産セクターは安い。中国金茂HD(817/HK)が5.7%、融創中国HD(1918/HK)が4.4%、遠洋集団HD(3377/HK)が3.9%、建発国際投資集団(1908/HK)が2.7%ずつ下落した。
医薬セクターも急落。北京同仁堂科技発展(1666/HK)が5.8%安、三生製薬(1530/HK)が5.4%安、翰森製薬集団(3692/HK)が4.5%安、緑葉製薬集団(2186/HK)が2.5%安で前場取引を終えた。
本土マーケットは反発。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)