投資家心理が上向く流れ。米長期金利の低下基調や、中国の政策に対する期待感が相場を支えた。米雇用統計が大幅に下振れる中、米連邦準備理事会(FRB)は来週(17~18日)の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ再開が確実視されている。一部の市場関係者は、利下げ率が通常の0.25%ではなく0.5%に拡大すると予想した。また、8日公表された8月の中国貿易統計で、米ドル建て輸出入の伸びが予想以上に前月から縮小するなど、中国景気の鈍化が警戒される中、当局は追加の支援策を打ち出すとの見方が広がっている。ただ、上値は限定的。米中の物価動向を見極めたいとするスタンスが強まっている。米国では10日に8月の卸売物価指数(PPI)、11日に同月の消費者物価指数(CPI)、中国では10日にPPIとCPIが報告される予定だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス:241/HK)が10.0%高、オンライン医療の京東健康(JDヘルス:6618/HK)が6.4%高、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が6.1%高と上げが目立った。
セクター別では、中国の不動産が高い。龍湖集団のほか、世茂集団HD(813/HK)が27.9%、碧桂園HD(2007/HK)が27.5%、合景泰富地産HD(1813/HK)が10.9%、雅居楽集団HD(3383/HK)が10.6%ずつ上昇した。
中国の金融セクターもしっかり。中国工商銀行(1398/HK)が1.7%高、中国建設銀行(939/HK)が1.6%高、中国平安保険(2318/HK)が2.1%高、中国人民保険集団(1339/HK)が1.4%高、広発証券(1776/HK)が4.5%高、中信証券(6030/HK)が3.4%高で引けた。
産金セクターも物色される。赤峰吉隆黄金鉱業(6693/HK)が11.5%高、山東黄金鉱業(1787/HK)が7.2%高、中国黄金国際資源(2099/HK)が6.8%高、霊宝黄金(3330/HK)が6.2%高で取引を終えた。金相場の上昇が手がかり。昨夜のNY商品取引所では、金先物が連日で史上最高値を更新した。
半面、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連はさえない。薬明合聯生物技術(2268/HK)が4.3%、薬明生物技術(2269/HK)が3.4%、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が2.8%、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が2.2%ずつ下落した。
本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.51%安の3807.29ポイントで取引を終了した。ハイテクが安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)