米株高が好感される流れ。昨夜の米株マーケットでは、米利下げによる緩和マネーの流入継続期待などを手がかりに、主要3指数が史上最高値をそろって更新した。香港市場にも買いが波及している。中国経済の鈍化が警戒される中、当局が産業支援や消費刺激など景気対策を強めていることも支援材料だ。
ただ、上値は限定的。中国の金融政策動向が不透明だ。米国が利下げ再開に踏み切ったにもかかわらず、中国人民銀行(中央銀行)が18日に実施した公開市場操作(オペ)では、7日物リバースレポ金利は据え置かれている。週明け22日(日本時間10時ごろ)に公表される実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、据え置き予想がコンセンサスだ。また、ショート動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却を巡り、19日(日本時間夜)にトランプ米大統領と習近平・国家主席が電話協議することも気がかり材料となっている。指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの上げが目立つ。金沙中国(1928/HK)が5.0%高、銀河娯楽集団(27/HK)が4.7%高で前場取引を終えた。
半導体セクターの物色も続く。華虹半導体(1347/HK)が3.7%高、晶門半導体(2878/HK)が1.9%高、英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が1.7%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.5%高と値を上げた。中国政府がハイエンド半導体の国産化に注力する中、SMICは上場来高値を連日で更新している。
非鉄・産金セクターも高い。中国宏橋集団(1378/HK)が3.7%、江西銅業(358/HK)が2.5%、中国アルミ(2600/HK)が2.2%、山東黄金鉱業(1787/HK)が5.1%、中国黄金国際資源(2099/HK)が2.4%ずつ上昇した。
半面、医薬セクターはさえない。信達生物製薬(1801/HK)が4.9%、緑葉製薬集団(2186/HK)が3.2%、石薬集団(1093/HK)が2.9%、上海復星医薬集団(2196/HK)が2.6%ずつ下落した。
本土マーケットは小幅に続落。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)