中国の金融政策動向が重しとなる流れ。朝方公表された実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は、4カ月連続で据え置かれた。予想通りとはいえ、米国が利下げ再開に舵を切っているだけに、中国人民銀行(中央銀行)が緩和を急がないスタンスを続けていることが懸念されている。そのほか、米長期金利の上昇基調もマイナス材料。19日の米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りの上昇が続き(債券価格は3日続落)、9月4日以来の高い水準を付けた。
ただ、下値は限定的。米中関係の改善期待が支えだ。トランプ米大統領と中国の習近平・国家主席が19日に行った電話会談では、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を巡る問題で最終合意に至らなかったものの、米当局者は「大幅な進展があった」と述べた。トランプ氏は自身のSNSに、今年10月末に韓国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で習氏と対面で会談することで合意したと投稿している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、政府系インベストメント会社の中国中信(267/HK)とコンテナ海運大手の東方海外(316/HK)がそろって4.3%安、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が4.1%安と下げが目立った。
セクター別では、自動車が安い。比亜迪(BYD:1211/HK)が3.4%、蔚来集団(9866/HK)が2.6%、吉利汽車HD(175/HK)が1.6%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が1.5%ずつ下落した。
レストランや酒造など飲食関連もさえない。周黒鴨国際HD(1458/HK)が3.2%安、呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が2.2%安、九毛九国際HD(9922/HK)が1.8%安、百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が1.8%安、青島ビール(168/HK)が1.0%安で引けた。
半面、スマートフォン部材・組立の銘柄群は物色される。高偉電子(1415/HK)が10.0%高、丘タイ科技(1478/HK)が9.0%高、瑞声科技HD(2018/HK)が7.4%高、舜宇光学科技(2382/HK)が5.9%高、富智康集団(2038/HK)が4.3%高、比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が2.5%高と値を上げた。
医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連も高い。薬明合聯生物技術(2268/HK)が6.5%、薬明生物技術(2269/HK)が3.4%、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が1.9%、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が1.3%ずつ上昇した。CRO各社は米国でも事業展開しているため、米中関係の改善がプラスに働くと期待された。
本土マーケットは3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.07%高の3822.59ポイントで前場の取引を終了した。ハイテクが高い。医薬、自動車、証券、軍需産業なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)