週明け22日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前営業日比8.49ポイント(0.22%)高の3828.58ポイントと3日ぶりに反発した。
 投資家心理がやや上向く流れ。
米中関係の改善期待が強まっている。トランプ米大統領と中国の習近平・国家主席が19日に行った電話会談では、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を巡る問題で最終合意に至らなかったものの、米当局者は「大幅な進展があった」と述べた。また、各種報道によると、習氏は「中国と米国は第2次世界大戦を共に戦った盟友だ」と語り、トランプ氏は中国が開催した抗日戦争勝利80年を記念する軍事パレードを「非常に素晴らしかった」と称賛している。トランプ氏は自身のSNSに、今年10月末に韓国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で習氏と対面で会談することで合意したと投稿した。そのほか、中国当局がこのところ、人工知能(AI)技術を軸とした産業支援、「AI+」政策に注力していることも改めて材料視されている。
 ただ、上値は重い。中国の金融政策動向がやや不透明だ。朝方公表された実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は、4カ月連続で据え置かれた。予想通りとはいえ、米国が利下げ再開に舵を切っているだけに、中国人民銀行(中央銀行)が緩和を急がないスタンスを続けていることが懸念されている。指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が10.0%(ストップ)、半導体製造装置の瑞芯微(603893/SH)が6.8%高、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が6.7%高、銅張積層板メーカー世界大手の広東生益科技(600183/SH)が6.3%高、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が5.3%高で引けた。
ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:688981/SH)が6.2%高と反発し、2営業日ぶりに上場来高値を更新。主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」が3.4%高と他の指数をアウトパフォームしている。
 証券株もしっかり。華泰証券(601688/SH)が1.9%、中信証券(600030/SH)と中国銀河証券(601881/SH)がそろって1.7%、国泰海通証券(601211/SH)が1.6%ずつ上昇した。産金株、軍需産業株、医薬株、不動産株、自動車株なども買われている。
 半面、銀行株はさえない。中国建設銀行(601939/SH)が3.3%、中国農業銀行(601288/SH)が2.4%、上海浦東発展銀行(600000/SH)が2.1%、中国銀行(601988/SH)が1.5%、中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が1.3%ずつ下落した。消費関連株、運輸株、エネルギー株、公益株も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.16ポイント(0.06%)安の260.52ポイント、深センB株指数が5.57ポイント(0.42%)高の1347.79ポイントで終了した。 
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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