投資家心理がやや悪化する流れ。米長期金利の上昇基調や、中国の緩和期待後退が重しとなっている。22日の米債券市場では、米利下げサイクルの期待がやや後退する中、長期金利の指標となる10年債利回りの上昇が続いた(債券価格は4日続落)。米メディアは22日、アトランタ連銀のボスティック総裁が次回(10月)の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ継続を決定することに慎重な見方を示したと伝えている。また、中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・総裁は22日の会見で、米国は先週利下げしたが、中国の金融政策は国内の事情によるとして、利下げを急がない姿勢を強調した。22日公表された実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、4カ月連続で据え置かれている。指数は徐々に下げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が7.6%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が5.2%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が4.9%安と下げが目立った。
セクター別では、EV(電気自動車)関連が安い。蔚来集団(9866/HK)が7.4%、比亜迪(BYD:1211/HK)が3.6%、理想汽車(2015/HK)が2.8%ずつ下落した。そのほか、リチウムや動力電池の関連銘柄も売られ、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)が3.2%安、寧徳時代新能源科技(CATL:3750/HK)が2.6%安で前場取引を終えている。
クラウドや半導体、AI(人工知能)技術の銘柄群も急落。
半面、中国の銀行セクターは強含み。交通銀行(3328/HK)が1.1%、中国工商銀行(1398/HK)と中国農業銀行(1288/HK)がそろって1.0%、中国建設銀行(939/HK)が0.8%ずつ上昇した。
本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.23%安の3781.61ポイントで前場の取引を終了した。ハイテクが安い。医薬、不動産、資源・素材、消費、自動車、インフラ関連なども売られた。半面、銀行は高い。保険も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)