24日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比31.81ポイント(0.83%)高の3853.64ポイントと反発した。
 投資家心理がやや上向く流れ。
米中関係の改善期待が強まっている。米国のバデュー駐中国大使は23日、中国が米ボーイング機を新規に購入する交渉は最集段階に入っていると明らかにした。最大500機の航空機購入契約を結ぶ可能性があり、実現すれば、2017年のトランプ米大統領(第1期)の訪中以来続いていたボーイングの対中販売不振に、ようやく終止符が打たれることとなる。また、中国の李強首相など政府高官は、米下院議員団と北京で相次ぎ会談。双方の対話が加速している。そのほか、人工知能(AI)産業拡大の期待が根強いことや、中国当局が産業支援や過当競争是正、消費刺激などの対策を強めていることも改めて材料視された。米中の金融政策に対する不透明感などで、朝方は弱含む場面がみられたものの、指数は程なくプラスに転じ、上げ幅を徐々に広げている。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、半導体関連の上げが目立つ。半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が5.1%高、LED部材トップメーカーの三安光電(600703/SH)が4.8%高、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が4.2%高、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が3.0%高で引けた。ほか、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:688981/SH)が5.0%高と反発し、再び上場来高値を更新している。主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」が3.5%高と他の指数をアウトパフォームした。
 医薬株も高い。
浙江華海薬業(600521/SH)が2.9%、津薬達仁堂集団(600329/SH)が2.7%、通化東宝薬業(600867/SH)が2.6%、浙江医薬(600216/SH)が2.1%、昭衍新薬(603127/SH)が1.9%ずつ上昇した。
 不動産株もしっかり。万業企業(600641/SH)が5.6%高、光明地産(600708/SH)が3.8%高、金地集団(600383/SH)が3.3%高、華遠地産(600743/SH)が2.9%高、中華企業(600675/SH)が2.1%高で取引を終えた。インフラ関連株、自動車株、消費関連株、資源・素材株、公益株なども買われている。
 半面、銀行株はさえない。上海浦東発展銀行(600000/SH)が1.8%、中国農業銀行(601288/SH)が1.2%、中国建設銀行(601939/SH)と中信銀行(601998/SH)がそろって1.1%、興業銀行(601166/SH)が0.8%ずつ下落した。運輸株の一角も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.68ポイント(0.65%)高の260.74ポイント、深センB株指数が14.01ポイント(1.05%)高の1339.97ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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