週明け29日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前営業日比34.43ポイント(0.90%)高の3862.53ポイントと3日ぶりに反発した。
 投資家心理が上向く流れ。
中国企業の業績改善や相場の先高観がプラスだ。中国の国家統計局は27日、8月の工業企業利益は同月比で20.4%増加し、7月の1.5%減から一転して大幅に増加したことを明らかにしている。大手ブローカーは最新リポートで、世界大手のあるヘッジファンドは先月、ここ数年で最も活発に中国株を取引したと指摘。中国で人工知能(AI)産業が活発化する中、米利下げによる緩和マネーが流入していると分析した。また、内部的にも、個人投資家は預金から株式に投資マネーをシフトしているとの観測が強まっている。国慶節・中秋節の大型連休(本土市場は1~8日まで休場)を前に、朝方は弱含む場面がみられたものの、指数は引けにかけて上げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、証券の上げが目立つ。華泰証券(601688/SH)が10.0%(ストップ)高、東方証券(600958/SH)が6.9%高、東呉証券(601555/SH)が6.2%高、中信証券(600030/SH)が5.9%高、中国銀河証券(601881/SH)が4.7%高で引けた。中国金融当局が26日、外国人投資家の債券取引など本土市場アクセスを拡大すると通達。収益増につながると期待された。
 産金・非鉄株も高い。紫金鉱業集団(601899/SH)が5.0%、赤峰黄金(600988/SH)が3.2%、中金黄金(600489/SH)が2.8%、中国アルミ(601600/SH)が7.0%、洛陽モリブデン(603993/SH)が6.8%、江西銅業(600362/SH)が3.1%ずつ上昇した。
産金については、金相場の史上最高値更新が材料視されている。
 ハイテク株もしっかり。フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が3.6%高、電子機器メーカーの方正科技集団(600601/SH)が3.3%高、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が2.6%高、フィンテック中国大手の恒生電子(600570/SH)が2.3%高で取引を終えた。不動産株、インフラ関連株、医薬株、公益株、保険株なども買われている。
 半面、銀行株はさえない。中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が1.7%、上海浦東発展銀行(600000/SH)が1.6%、興業銀行(601166/SH)が1.3%、中国工商銀行(601398/SH)が1.1%ずつ下落した。エネルギー株、運輸株も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.64ポイント(0.25%)高の261.13ポイント、深センB株指数が6.93ポイント(0.51%)高の1361.25ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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