週明け24日前場の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比358.86ポイント(1.42%)高の25578.88ポイントと反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が108.46ポイント(1.22%)高の9028.24ポイントと7日ぶりに反発した。売買代金は1305億8840万香港ドルに縮小している(21日前場は1504億7360万香港ドル)。

 米追加利下げの期待感で買いが先行する流れ。米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が21日の講演で、インフレの上振れリスクは和らいでいるため連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を緩和気味にする余地はあるとの認識を示した。市場では、FRBが12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決定するとの見方が広がっている。米金利先物市場の値動きから算出するCMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)では、12月のFOMCで0.25%利下げする確率が総裁発言前の約35%から約70%に急上昇した。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の低下も期待されている。指数は徐々に上げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、ネット関連の上げが目立つ。中国オンラインゲーム大手の網易(ネットイース:9999/HK)が5.7%高、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が5.2%高、電子商取引(EC)世界大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が4.1%高で引けた。
 そのほか、ハンセン指数の構成銘柄に新規採用が決定した信達生物製薬(1801/HK)が3.6%高。株価指数を算出するハンセン・インデックシズ(HSI)は24日引け後、四半期ごとに行っている指数構成銘柄の定期見直しの結果を発表し、ハンセン指数構成銘柄に信達生物を新規採用した。除外銘柄はなし。これにより、ハンセン指数の構成銘柄は88→89に増加する運びだ(入れ替えは12月8日付で発効)。

 自動車セクターも高い。広州汽車集団(2238/HK)が13.3%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が6.5%、北京汽車(1958/HK)が5.4%ずつ上昇した。広州汽車については、国内初となる大容量全固体電池の生産ラインを完成させたと伝わり、材料視されている。そのほか、ライダー(LiDAR)や自動運転システムなどスマートドライブ関連も急伸。禾賽科技(2525/HK)が10.9%高、文遠知行(800/HK)が9.3%高、地平線(9660/HK)が1.9%高と値を上げた。
 中国の不動産セクターもしっかり。中国奥園集団(3883/HK)が4.3%高、碧桂園HD(2007/HK)が3.9%高、華潤置地(1109/HK)が2.3%高、龍湖集団HD(960/HK)と中国海外発展(688/HK)がそろって2.2%高で前場取引を終えた。 
 半面、石油セクターはさえない。業界大手3社の中国海洋石油(883/HK)が2.3%、中国石油天然気(857/HK)が1.5%、中国石油化工(386/HK)が0.9%、原油掘削の中海油田服務(2883/HK)が1.4%ずつ下落した。
 本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.34%安の3821.68ポイントで前場の取引を終了した。ハイテクが安い。
資源・素材、公益、消費、運輸、保険・証券なども売られた。半面、軍需産業は高い。医薬、自動車、銀行も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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