28日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比13.34ポイント(0.34%)高の3888.60ポイントと続伸した。
 中国の政策に対する期待感が引き続き支えとなる流れ。
2026年の経済政策を決める中央経済工作会議は、12月中旬ごろに開催される見通しだ。金融関係者からは、会議を経て、26年1月にも預金準備率や政策金利を引き下げる可能性があると指摘されている。外資による中国株マーケットの先行き楽観も支え。JPモルガン・チェースは最新リポートで、中国株の投資判断を「オーバーウエート」に引き上げた。来年は人工知能(AI)産業の躍進や、中国政府の消費刺激策などの好材料で、大幅な株価上昇の可能性が下落リスクを上回ると分析している。
 ただ、上値は限定的。中国の景気動向が気がかりだ。最新のコンセンサスでは、製造業PMIが49.3(10月は49.0)、非製造業PMIが50.0(50.1)で着地する見通し。製造業PMIは前月から上向くとの予想だが、依然として景況判断の境目となる50を下回ることとなる。また、前日(27日)に国家統計局が報告した10月の工業企業利益は前年同月比で5.5%減少。9月の21.6%増から一転し、マイナス成長に沈んだ。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、自動車の上げが目立つ。
広州汽車集団(601238/SH)が10.0%(ストップ)高、重慶千里科技(601777/SH)が3.9%高、北汽藍谷新能源科技(600733/SH)が3.6%高、遼寧曙光汽車集団(600303/SH)が2.9%高、で引けた。広州汽車については、国内初となる大容量全固体電池の生産ラインを完成させたことや、2027年に人型ロボット(ヒューマノイドロボット)の量産を開始するとの計画を明らかにしたことなどが改めて材料視されている。
 ハイテク関連もしっかり。電子機器メーカーの方正科技集団(600601/SH)が3.5%、半導体製造装置の瑞芯微(603893/SH)と光学機器メーカーの鳳凰光学(600071/SH)がそろって1.8%、情報技術サービスの中電科数字技術(600850/SH)が1.2%、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が1.1%ずつ上昇した。インフラ関連株、素材株、運輸株、消費関連株、不動産株なども買われている。
 半面、銀行株はさえない。中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が1.9%、中国銀行(601988/SH)と交通銀行(601328/SH)がそろって1.6%、興業銀行(601166/SH)が1.3%、上海浦東発展銀行(600000/SH)が1.2%、中国農業銀行(601288/SH)が0.7%ずつ下落した。エネルギー株、医薬株、公益株、保険株も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.83ポイント(0.73%)高の252.33ポイント、深センB株指数が5.33ポイント(0.41%)高の1294.61ポイントで終了した。 
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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