グローバル時代の地域・都市発展のポイント、そのコンサルティング

 中国市場における事業戦略構築からマーケティング、人材マネジメント支援にいたる総合コンサルティング、そして中国政府の都市・地域開発戦略や産業振興政策の立案まで。日本を代表するコンサルティング会社、野村総合研究所(NRI)の100%独資企業として設立して以来、野村綜研(上海)咨詢有限公司(NRI上海)は総合コンサルティング・ファームとしての実力を存分に発揮している。


 NRI上海は設立以来、北京市、上海市、天津市、および重慶市の都市、産業、環境・省エネ戦略及びその実行支援に携わっている。そのコンサルティンググループを率いるのが葉華副総経理だ。

 「グローバル時代の地域・都市発展のポイントは、より広いネットワークの中で如何に自分のポジションを確立して発揮することだ。広範な連携の中で、地域の特徴や経営資源を最大限に活かし、周囲と共生して互いに発展しあう仕組みを創ることが重要である。現在、ネットワーク型成長戦略に向けた取り組みは各地域で既に活発化している。ネットワーク型であれば勿論その機能のハブが注目される」(葉氏)。

 本格的に建設が開始される上海虹橋総合交通ハブプロジェクトや、将来に長三角の高速道路の殆どをカバーするITSプロジェクトの始動など、すでに動き出しているビックプロジェクトが多い。一方、大規模・高速軌道交通の整備によって周辺区域との連携が実現され、広域交通・物流機能を高度化させる取り組みなども活発になっている。

 「空間的に点・線・面・地上・地下、要素的に人・モノ・情報・カネが一体的に機能しあう多元・複合開発が今後都市開発の焦点になる。これがもたらす(都市・地域の)成長のポテンシャルは大きい。このような整備はさまざまな物理的なネットワークの拠点を作り出し、新たなビジネスのプラットフォームになるからだ」(葉氏)

 広域高速交通ネットワークの整備と都市クラスターの形成、都市内の鉄道ネットワーク整備による多核多心型都市構造の成立、交通ネットワークハブにおける複合的な機能集積などはやがて地域・都市の構造転換に繋がる。

 「中国の地域・都市発展の潮流が激しく変化しつつある。
我々のコンサルサービスはより地球規模で考え、地域に合わせて提案しなければならない。中国に根を下し、10年後の発展構図を世界の視点でどう見るかは重要だ。一方、NRIならではの複数分野を横断するトータルソリューションの提案力と戦略の着地を確実に支援できる伴走力もきっと付加価値になるだろう」(葉氏)。

葉華(YE Hua)
中国同済大学、早稲田大学の講師などを経て、(株)野村総合研究所に入社、06年より現職。02年から各種の都市発展戦略策定、大規模都市開発立案及び産業振興施策のプロジェクトに携わる。中国の地方政府や開発区の諮問委員を兼務。工学博士。葉 華・副総経理
中国の「和諧社会」づくりに向けて地域・都市の発展戦略と方策を幅広く提案。

このインタビュー記事は、『ウェネバー上海』による提供です。

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