――初のアジアツアーが今月26日からスタートしますが、どんなツアーにしたいですか?

 僕は、直感を大切にしてコンサートに臨むタイプなので、どんなコンサートになるのか、まだ僕にもわかりません。先日もアンコールで、何年間も弾いていない曲を、突然「弾きたい!」と思って、 その場で弾いてしまいました。


――今回のツアーで、ヴァイオリンの鬼才パガニーニの協奏曲を演奏予定ですが、これは難しい曲ですよね。

 確かに高い演奏技術が求められる曲ですね。でも、ヴァイオリニスト自身が作った曲なので、楽器に合っている曲なんです。美しい旋律と合わせて、観客に高い技術を見せることができるから、ヴァオリニストにとっては観客を魅了できる、優れた曲と言えます。

――連日の練習は大変でしょうね。

 そうですね。でもコンサートに向けて特別な練習はしません。練習は今でも基礎練習をしっかりやるようにしているんです。それが、高い技術を支える土台で すからね。

――基礎練習といえば、お母さんの練習は厳しかったと……

 それはもう(笑)。毎日4時間、基礎練習ばかり繰り返すんです。出来ないと、叩かれるわ、引きずられるわ(笑)。
本当にすごかったですよ~。毎日、ヴァイオリンをやめたいと思っていました(笑)。でも、やめてしまう自分が見たくなかった。だから続けられたんですね。

――ハーバード大学の勉強との両立はできていますか?


 両立できていませんね?(笑)。ビジネスや空手、ギターなど、やりたいことが山ほどあるんです。欲張って全部やると、一番好きな眠る時間が無くなってしまう(笑)。だから、何事も効率よくやるように心がけています。

――チャットも好きなんですよね?

 チャットは悪魔(笑)。時間を食べてしまう悪魔ですよ!

――ガールフレンドとチャット?

 それは……(少し照れて)、チャットじゃなくて、会って話した方がいいですね。

――大学では物理を専攻しているそうですが。

 高校から大学に進学するときに、それまで学んだ物理は氷山の一角だと覚悟していましたが、大学でそれを改めて実感しました。
宇宙に興味があるんだけど、専門に行くまでに10年間はかかる(笑)。

――もうすぐ20歳ですが、将来の夢は?

 将来の僕は、どうなっているかなあ。いつ鏡を見ても、恥ずかしくない顔をしていたいです。佐藤浩市さんのようなカッコいいおじさんになりたいですね。



 もし、ヴァイオリンよりもやりたいことが見つかったら、すっぱりやめてしまうかも知れません。でもその時は、ヴァイオリンを諦めるのではなく、満足してやめたい。だから、自分の可能性を最大限に開花させるように、今を大事に頑張っていきたいと思います。

ヴァイオリニスト 五嶋龍
プロフィール:1988年ニューヨーク生まれ。ハーバード大学で物理学専攻。姉は五嶋みどり。3歳でヴァイオリンを始め、7歳でコンサート・デビュー。その後、ソリストとしてロンドン・フィル、ワシントン・ナショナル響など数多くの交響楽団と共演。
ドイツの名門グラモフォンと専属契約を結び、デビューCD『Ryu Goto』、2007年1月には『Ryu Goto Ryu Violin Recital、2006』をユニバーサルクラシックスよりリリース。楽器は、NPO法人イエロー・エンジェルより貸与された1715年ストラディヴァリ製作の「エクス・ピエール・ローデ」を使用。今年は7/26香港、7/30上海、8/9台湾で「五嶋龍ヴァイオリン・コンサートinアジア2008」を開催。8月からは福井県を皮切りに6カ所で日本ツアーも実施予定。

このインタビュー記事は、『ウェネバー上海』による提供です。 2008年6月号 上海インタビュー。

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