黒龍江チチハル市人民大会の曹書傑代表(議員)が先日、タンチョウ(丹頂鶴)を中国の国鳥に定める手続きが進んでいると述べたことで、中国のインターネットで異論が巻き起こった。英語名やラテン語の学名でタンチョウが「日本鶴」であるため「ふさわしくない」という。


関連写真:そのほかの中国のタンチョウ(丹頂鶴)の写真

 同鳥は英語名が「Japanese crane」、ラテン語の学名が「Grus japonensis」で、いずれも「日本鶴」の意。インターネットでは、中国の国鳥として名称がふさわしくないとする意見が続出した。

 3日付中国新聞社電によると、曹代表は国家林業局から、「タンチョウの国鳥制定で、すでに国務院が審議を進めており、最終的には全国人民代表大会常務委員会が法制化を決める」との回答を受けた。しかし4日付新京報は中国野生動物保護協会からの情報として、「激しい議論が巻き起こったため、国務院も結論を控えている」と伝えた。

 国鳥の選定にあたっては、国家林業局と中国野生動物保護協会が2003年に選定基準などを定め、04年5月から6月にかけて、中国全国20メディアのウェブサイトでアンケートを実施。回答数約500万のうち、約64.9%がタンチョウを推す声だった。

 ところが、「日本鶴はふさわしくない」とする意見が続出するようになって、大手ポータルサイトの新浪網が改めてアンケートを実施したところ、4日午後5時現在の回答者7万561人のうち、タンチョウがふさわしいとする人は33.89%と明らかに減少した。2位はトキで、22.19%が支持している。

 なお、支持率が2位のトキのラテン語学名は「Nipponia Nippon(ニッポニア・ニッポン)」。異論が噴出した経緯からして、タンチョウをやめてトキを中国の国鳥にするわけにもいかなそうだ。(編集担当:如月隼人)

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