●煙台北海食品有限公司(Yantai Beihai Shipin Youxian Gongsi)

 山東省煙台市に属する県級莱陽市に本社を置く食品企業。台湾独資で1990年に設立された。
登録資本金は300万米ドル、総投資額は450万米ドル、資産総額は7400万米ドル。

関連写真:そのほかの残留農薬問題に関する写真

 主要商品は冷凍野菜や野菜を使った調理惣菜。製品の85%が日本向けで、残り15%は欧米向け。

 比較的早い時期から高品質・高付付加価値商品の開発を重視し、1996年には有機食品発展センターを設立。1999年には一部の自営農園が中国のOFDC有機認証を取得した。2002年には約30ヘクタールが日本のJAS有機規格に認定された。2001年には、自営・契約農場約220ヘクタールでの生産すべてにトレーサビリティ・システムを導入した。

 同社は生産管理方法として◆会社側の要求を満たす農場のみを使う◆栽培計画・栽培作業は会社が全面的に監督する◆農薬の使用を厳格にコントロールする――ことを表明。農薬の使用では、日本の厚生労働省の「残留農薬基準」を参考に、低毒で残留期間の短い農薬を使用し、信頼できる業者から購入。収穫前に残留農薬をチェックして、合格品のみを収穫するなどの検査体制を確立したという。

 2008年10月12日、同社で最終包装され製品化されたニチレイフーズの冷凍インゲンを食べた東京都八王子市の女性がしびれなどの症状で、病院で治療を受けた。検査の結果、残留基準が0.2ppmである農薬ジクロルボスが、調理前の状態で6900ppm検出された。


 ニチレイフーズの発表によると、黒龍江省内で行った収穫前の検査、煙台北海食品が行った包装前の検査、出荷前の検査、中国側の輸出前検査、ニチレイフーズの自主検査、日本通関時の検疫所検査のいずれにおいても、問題はなかった。生産企業(農場)、北海食品のいずれもジクロルボスの使用・保管はなかったといい、2008年10月16日現在、農薬混入の経緯は判明していない。

 問題の製品に含めていたジクロルボスの濃度が非常に高かったことから、専門家からは農薬残留という「ミス」ではなく、人為的に混入された疑いが極めて濃厚との見方が出た。

 写真は北海食品のウェブサイトから。調理済惣菜の紹介ページ。(編集担当:如月隼人)

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