■ミス・ユニバースとチャリティー活動の関係

 ミス・ユニバースは美と知性・内面の美しさを競う、世界を代表するビューティー・コンテスト。日本では誰が選ばれたかばかりに注目が集まりますが、候補者たちがその選考期間の中でチャリティー活動を積極的に行っていることはあまり知られていません。
各国代表に選ばれるまで、そしてミス・ユニバースに就任してからも、チャリティー活動は主要な活動の1つです。
 海外に比べれば、一般的に日本ではチャリティー活動や社会貢献についての認識が薄いとされます。それは富裕層でも同じで、社会に貢献したい気持ちがあっても、具体的に何をすればいいのか、何ができるのかわからない方も多いのです。

 2006年のミス・ユニバース日本代表であり、同年の世界大会で第2位に輝いた知花くららさん。現在も様々なチャリティー活動を行っている知花さんに、ミス・ユニバースとチャリティー活動の関係、そして日本の富裕層と社会貢献について語っていただきました。

■母の影響でチャリティーに興味を持つように

-知花さんがチャリティー活動に興味を持ったきっかけは何だったのですか?
「一番は、母の影響ですね。小学生の頃から、母には『あなたが将来大きくなって、もしお金持ちや影響力を持つような人になったら、その力でみんなに対していろんなことができるようになるよ。それを覚えておいてね』と言われていました。小さい頃からそうでしたので、チャリティー活動に興味を持ったのは、自分にとって自然な流れだったように思います。」

-ミス・ユニバース・ジャパンの選考過程でもチャリティー活動は行われましたか?
「はい。日本代表の選考過程でも、ファイナリストは様々なチャリティー活動に参加できます。元々、応募した動機も、ミス・ユニバース・ジャパンになればチャリティー活動ができることを知ったというのが大きかったです。応募当時は上智大学の卒業を控え、すでに就職も決まっていましたが、その時だからこそできることにチャレンジしたくて、応募しました。」

■ミスコンの影響力は日本と海外では全く違う!

-具体的にはどのような活動を?
「2006年はファイナリストが12人いて、みんなでチャリティーディナーやチャリティーウォークに参加したり、イベントで挨拶をしたり、ラッフルチケットを売るのを手伝ったりしました。
全員で参加することもあれば、スケジュールが合う人だけの場合もあって様々ですが、一個人ではできない活動ができるのが大きかったですね。日本代表に決まってからはNPOやNGOの会でスピーチをしたり、前よりもっと大役を任されられるようになりました。スピーチの場合はそれぞれの会で、自分の言葉で何をどういう風に伝えていくかに毎回悩みます。英語でスピーチすることもありましたし。」

-一般的にミス・ユニバースになった方たちは、毎年どんな活動を行うのですか?
「世界大会で1位になったらNYを拠点に、1年間世界各地をまわって、開発途上国などでチャリティー活動を行います。HIV撲滅のチャリティー活動がメインですね。」

-「ミス・ユニバースがなぜ社会貢献?」と、この2つの繋がりが、日本人では腑に落ちない方も多いと思います。そもそも、美と知性を競うミス・ユニバースと社会貢献はどう結びついているのでしょうか?
「最近日本でもようやく注目されるようになってきましたが、日本でのミスコン熱は、海外に比べて低いです。例えばアメリカをはじめ、東南アジア、中南米、南米では、ミスコンの影響力がすごく強い。一言ミス・ジャパンだと言えば、ものすごいリアクションが返ってきます。ミス・ユニバースは、その影響力をもってみんなに語りかけることができる、一個人ではできないことを実現できることに意味があるんです。美しさは、他の能力と同じで、手段の1つ。影響力を持つ人がチャリティー活動を行えば、世界中の人もその活動に注目してくれますよね。ミス・ユニバースを目指すのは、影響力を手に入れて、その先にあるもっと大きな目的を果たすためなのです。」

■開発途上国の女性にとって、ミスコンは飛び道具

-では、日本でミスコンが盛り上がらない理由は何だと思いますか?
「ハングリー精神の違いかもしれません。
開発途上国ではミスコンの影響力は絶大ですが、貧しい家庭が多く、女の子の教育は重要視されていません。良い職業にも就けないことが多いです。ミス・ユニバースは、彼女たちにとって飛び道具なんです。もし選ばれれば、一足飛びに何ステップも先に行けて、生活に困ることはなくなる。そのためハングリー精神があって、ミスコンがすごく盛り上がります。日本はミスコンに出なくても普通に生活できるし、ハングリー精神がなくて関心がないのも仕方ない気もします。」

-日本のこれまでのミスコンが外見重視だったということも大きいのでしょうか?
「そうですね。ミス・ユニバースはグローバルスタンダードでの美と知性を競う大会で、内面もすごく重視されます。今は日本における女性の格好良さの定義も変わりつつありますが、単なる外見の美を競う大会ではないということは、もっと知ってもらいたいですね。」

-ミス・ユニバース・ジャパンの活動を通して、チャリティー活動に初めて触れるという候補者も多いのですか?
「そういう女の子も多いと思います。私は大学で国際教育を学んでいたこともあり、チャリティーに非常に興味がありました。でも自分で調べてもなかなかわからなくて、そういう時にミス・ユニバース・ジャパンの募集が目に入ったんです。ファイナリストの活動を通して、世界の様々な国の現状を知っていき、自分にできることを考えるというのは貴重な経験になると思います。」

(後半に続く)

知花くらら(ちばな・くらら)
沖縄県那覇市出身。上智大学文学部教育学科卒業。
1982年3月27日生まれ。2006 ミス・ユニバース・ジャパンに選出され、同年7月にロサンゼルスで開催された2006 ミス・ユニバース世界大会で第2位に輝く。現在は小学館「Domani」の専属モデルを務め、テレビ東京「知花くららの地球サポーター」、BS12「グローバルビジョン」にナビゲーター役でレギュラー出演中。他多数のCMに出演。国内外に活躍の場を広げている。(情報提供:YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア))

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