今年で第7回目となる全国性文化フェスティバルが広東省広州市で31日に開幕したことが伝えられ、注目が集まった。2日更新の中国大手検索サイト百度(Baidu)の「検索ワード人気上昇ランキング」に「第7回広州性文化節」が登場した。


 おそらく、一人っ子政策推進のための正しい性知識・性文化を宣伝するためという目的で行われているであろう性文化フェスティバルだが、フタを開けてみるとどうやら「エロ展示会」といった趣で、今回は輪をかけてその傾向が強まったようである。場内では春画や歴史的な「秘宝」の展示、下着ファッションショー、コンドームや「大人のオモチャ」の展示即売などが行われており、特に今回の目玉は中国で最も人気のある合法ヌード写真(人体芸術)モデルの張篠雨さんの登場や、日本のAV女優によるコスプレショーだという。31日の初日には6万人ほどが来場したとみられている。一応アカデミックなイベントもあり、性の専門家たちによるパネルディスカッションなども行われたようだが、観客はほとんどいなかったという。

 国内メディアでは「見られるものは性ばかりで性文化はほとんど見られなかった」「性に対する認識を誤った方向へ導きかねない」とこぞって指摘・批判している。確かに、「性文化フェスティバル」で繰り広げられている光景は、場所を変えればわいせつイベントとして警察に摘発されてもおかしくないような内容だ。しかし、人間の性欲は徹底的に抑圧できるものではなく、それは中国政府も十分承知なのである。中国でヌード写真の所持はご法度であることはよく知られているが、それはあくまでも「わいせつ性」が高い場合であって、本屋や新聞スタンドでは「人体芸術」という高尚な名前の付いた無修正のヘアヌード写真集がいくらでも売られているし、人体芸術を扱うサイトもいくらでも存在する。素人目では、何が芸術で何がわいせつなのかはさっぱり区別がつかない。実際どこにボーダーラインがあるかなど誰もはっきり答えられるはずはなく、だからしばしば議論になるわけだが、今回の「性文化フェスティバル」も全く同じロジックだろう。

 初日に数万人もギャラリーが押しかけているのだから、エロ文化に対するニーズの高さは推して知るべしだ。また、若者を中心に「性」に対する考えが開放的になっている。
そんな中、旧態依然として「わいせつ」なものを厳しく禁じる状態が続く以上、今後もこのような「性文化」「人体芸術」の名を借りた「違法じゃないエロ文化」がそのはけ口として残されていくのではなかろうか。(編集担当:柳川俊之)

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