DNA測定の結果、中国にはすでに純粋な漢民族は存在しないことが分かった。7日、重慶晩報が伝えた。


 蘭州大学生命科学学院の謝副教授の話によると、特定の定義は存在しないものの、「漢民族」とは現在の河南省および山西省南部などを含めた「中原(ちゅうげん)」に居住もしくはルーツを持つ人びとを指し、本来は周辺地域に住む人びとと区別するために設けられた概念であると話す。

 しかし、中原に居住していた「漢民族」は服役や戦乱からの逃避などさまざまな原因で中原から各地へ移動し、長い時間をかけて周辺の国や民族と融合していったため、現在の中国にはもはや純粋な漢民族は存在しないという。

 その一方で、客家(ハッカ)と呼ばれる人びとは言葉や生活習慣、風俗などの面で「漢民族」の文化を継承しており、謝副教授は「現在、客家は少数民族として存在しているが、彼らこそが本物の漢民族と言えるだろう」としている。

 このニュースに対し、中国ネット上では、漢民族かどうかは遺伝子によって決まるものではなく、同じ文化背景を持つ人びとを指すべきだなどといったコメントが寄せられていた。(編集担当:畠山栄)

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