多くは反日感情の表明で、記事とは関係のない「罵詈雑言(ばりぞうごん)」も多い。何総工程師の主張を踏襲(とうしゅう)し、日本は発展しつつある中国を恐れ、敵視しているとの意見もある。
ただし、安全問題をきちんと論じた書きこみでは、日本を評価する意見が比較的目立つ。絶対の安全はないとした上で、日本の高速鉄道では、事故の話題をほとんど聞いたことがないと論じ、乗客の願いはとにかく安全第一とする書き込みがある。
「中国の高速鉄道は安全」とする何総工程師に対しては、根拠なく主張しても、説得力はないとの批判や、中国の高速鉄道で安全問題が出たら、強気で反論しただけに、大ばか者ということになるとの意見がある。
中国の高速鉄道の核心技術はすべて外国生まれで、自主開発ではないとの書きこみもある。独シーメンス、日本の川崎重工、フランスのアルストムからの導入で、中国は車両の外形を少々いじった程度と書き込んだ。
日本企業の安全重視を高く評価し、トヨタ自動車の問題とも絡め、問題が出た場合にはリコールを行い、リコール情報の発信にも努力と指摘する書きこみがある。消費者の信頼を最重視する日本企業のあり方を、高く評価した。
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◆解説◆
葛西敬之会長は中国への新幹線技術売り込みに対して、一貫して反対してきた。技術盗用の恐れが強い上に、自分たちの利益を極端い追求するためで、「新幹線は投げ売りするような技術はない」、「中国に最先端技術を売ることは、国を売るようなものだ」とまで述べた。
一方、台湾への売り込みには肯定的だった。
写真は中国で運行している高速鉄道車両。日本のE2系新幹線電車がベースのCRH2型電車。売り込みに当たり、中国は「すべての技術を明らかにする」ことを求め、日本側も応じた。中国はその後、自主技術も追加した。(編集担当:如月隼人)
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