ソロシンガー、バンド活動、そして舞台役者と、マルチに活躍する曾我泰久(そが やすひさ)さんが、4月3~4日に『ソロ活動20周年記念ライヴ』を開催。多くのファンと満開の桜の花が、20周年の幕開けを祝福した。


 CLUB CITTA川崎を会場に選んだのは、曾我さんのこだわり。1990年にバンド・The Good-Byeの活動を休止し、ジャニーズ事務所から独立した曾我さんが、初ソロライヴを行った場所だった。20年の時を経て再びCITTAのステージに立った曾我さんは、“2日間の3公演で、ソロとして発表した曲をすべて歌う!”という前宣言通り、チャレンジ精神にあふれた「曾我ワールド」を披露した。

 『青春バージョン』というサブタイトルがついた3日の昼公演は、「~15才~」「太陽のメッセージ」「気になる女の子(Messengers/フィンガー5のカバー曲)」など、“歌詞で青春を表現した曲”を中心にセレクト。愛する人にそばにいてと伝える、ドラマティックなバラード「Stay」を情感たっぷりに歌い上げる姿が、特に印象に残った。

 3日夜公演は『ロマンティックバージョン』。
オープニング曲はジャズテイストの「The Swinging In The Rain」で、「ゆったりと曲を聞いてください」と曾我さんが挨拶。心地良いアダルトな空気の中、ピアノ演奏で「恋しくて」、アコギ演奏で「ほんの少し汚れた空の下で」などしっとりと歌い続けた。そして36年前、11歳の頃に歌いジャニーズ事務所入りのきっかけになった、「ベンのテーマ」を熱唱。当時の思い出を懐かしそうに語る場面もあった。

 最終公演の4日は、本ライヴのタイトルとなった『NOW HERE I AMバージョン』。アップテンポでのりのいい「Just Summer for You」「Stepin’Out」から始まり、「愛を育てよう」「遠い夏」などミュージシャン・曾我泰久を象徴する数々の名曲を歌った。
終盤ではメッセージ性が強く、“目の前の今!を作るのは、いつでも自分自身さ”と自身のテーマ曲にしている「Stand Alone」、ファンに捧げるバラード「melodies for you」を、客席にいる1人1人の顔を見つめながら語りかけるように歌った曾我さん。

 3公演で歌った曲は、アンコールを含め全59曲。「こんなにタイプの違う曲を作ってきたなんて!」と自身が驚くほどのバラエティに富んだ楽曲と、甘い歌声でファンを魅了した。「1曲1曲心をこめて歌っていると、思わず涙が出そう」と語った曾我さんは、「20年間ソロで歩んできた道が、本当に良かったと思える」と笑顔でライヴを終えた。長年の付き合いになるというバンドメンバー、どんな時も熱い応援を続けるファンとの深い絆を感じさせるライヴでもあった。

 そして、飾らない言葉とメロディで優しく温かなメッセージを発信する姿は、ベテラン・ミュージシャンというよりも、瑞々しさを放つフレッシュな魅力に包まれている。
ライヴ終了後は握手会を開き、ファンとの交流を欠かさない曾我さん。4月29日からは愛知・大阪・関東のファンに歌を届けるために、弾き語りツアー『春風が誘うから』をスタートさせる。(取材・文責:饒波貴子)

【関連記事・情報】
矢野顕子がレコ発記念ライブ開催へ、ネット生中継も(2010/04/21)
ベッキー♪♯全国ツアー決定!初のバンド形態で挑む(2010/04/20)
jealkb7人構成最後の公演、淳涙ぐませ熱唱(2010/04/18)
fuzzyがレコ発ライブ、斎藤蘭「ありがとー!」(2010/04/18)
MAX15周年へカウントダウン!セクシー姿で熱唱(2010/04/12)