2010年4月1日、ソロデビュー20周年の記念日を迎えた曾我泰久(そが やすひさ)。現在はライヴと舞台を中心に活動中だが、11歳の芸能界入り当時から1990年まではジャニーズ事務所に所属。
リトル・ギャング、ANKH、The Good-Byeなどのグループメンバーとしてテレビ・ラジオで幅広く活躍してきた。そんな曾我泰久に、現在・過去・未来について直撃インタビュー! 前編では最近の音楽活動について、語ってもらいました。

――4月3-4日の『ソロ活動20周年記念ライヴ』。集大成に相応しい、素晴らしいライヴでした!

 ありがとうございます。20年ぶりにCLUB CITTA川崎のステージに立ち、ソロ活動をスタートさせた頃の思い出がよみがえってきました。“自分ひとりでやってみたい!”という思いだけで突き進み、いろんな人に助けてもらった20年。ステージで話をすると胸が熱くなり、本当に感激しました。1日目は『青春バージョン』と『ロマンティックバージョン』と2公演あって、ステージをこなすことが正直言って精いっぱい。でも2日目の『NOW HERE I AMバージョン』は、1曲目から感情がぐっと込み上げてきました。20年前のソロデビューライヴと、同じ曲でスタートしたんです。自分を見つめ直し、今後どういう風に活動していくかと考える機会になったライヴでしたね。

――バンドメンバーと合宿し、公演は2日で3回。
そしてソロ曲を全て歌うということで、挑戦的なライヴでしたね。

 めちゃめちゃチャレンジャー!合宿は苦しかった(笑)。直前まで僕はユニット活動のライヴで忙しくて、バンドメンバーのスケジュールもそれぞれタイトで、集まれるのが5日しかなかったんです。それでライヴ準備に集中するために、合宿しようとみんなで決めました。ライヴの構成は自分で考えましたが、最初は3公演ともベストチョイスの曲をやるつもりだった。でも曲順を考えていく内に“記念だから全曲やったらどうか”という話が出て、その気になったんです。それでマネージャーに全曲リストを作ってもらったら、数の多さにビックリ!自分の曲がこんなにあるとは、知らなかった(笑)。歌詞と雰囲気で曲を分け、3日位かけて曲順を決めましたが、僕以上に大変だったのはメンバーとスタッフでしょうね。僕自身は初めてライヴで演奏する曲もあり、それを楽しんでいました。

――ライヴ中、泣いちゃったりしましたか?

 泣いちゃダメだと思い、自分で止めた(笑)。昔は人前では絶対泣くもんかと思うタイプだったけど、最近は泣くこともあったりします。ライヴ中は、いろんな人の顔が浮かんできましたね。
そして「20年前のファーストライヴの時も、この会場に来ました」と言って下さるファンの方が多くて、すごく嬉しかった。20年間ずっと応援してくれているんだな、って実感しました。ファーストライヴの映像を最近見たんですが、とにかく細い!体も細いけど、精神的にも細く見えて“こいつ大丈夫かな、やっていけるかな”って感じ(笑)。ナイーブさが全面に出ているんですが、子どもです。人は20歳で成人式を迎えるので、僕もソロ20周年でやっと大人になれました(笑)。でも20年前の原点は大事な思い出で、その時の自分があるから今がある。当時はストイックでガチガチな27歳でしたが、中途半端な行動は取らず“ひとりでやる”という信念を貫いてきました。メジャーなレコード会社の誘いも、全て断ってきたんです。もしおいしい話にひょいひょい乗って、自分の音楽性を無視していたら、今頃は音楽を止めていたかも…と思う。だから20年前の選択は間違っていなかった、と今痛感します。今回の記念ライヴは、のどの調子が心配だったので無事終えてほっとし、全曲歌えたことで大きな達成感を感じました。

――大型ライヴを終えたばかりですが、弾き語りツアー『春風が誘うから』(4/29名古屋、5/1調布、5/3大阪、5/5柏、5/8江の島)をすぐスタートさせますね。


 “1人でも多くの方に見てもらいたい”という思いで、この弾き語りツアーをやっています。1日2回公演の時もあって、ノドの調子をキープするのが大変だったり、体力的なキツさを感じたりしますが、公演数が多いと“この時間なら見に行ける”というファンの方がいますからね。結婚して夜出られないとか仕事が忙しいとか、みなさんそれぞれ使える時間が違うから。だから1日2回を、無理に設定してもらっているんです。「子育て終わって見に来ることができました」とか、「数年ぶりにライヴを見て、生きる勇気をもらいました」というメールや手紙をいただくと、“ライヴをやってよかった~”と素直に思えます。そういう言葉をいただくだけで、がんばれるんですよ!僕の音楽に触れる機会を、1回でも多く持ってもらえると嬉しい。

――大きな会場でライヴをする曾我さんが、弾き語りツアーでは地方の小さなライヴハウスに行っているのですね。

 やってることは一緒なんだけど、弾き語りの時はお客さんの反応で僕も変わっていくし、場の空気を楽しめて面白い!リラックスしながらやっています。そしてひとりでギター1本で歌うと、ごまかしが利かず言葉がど~んと相手に伝わる。自分のギターの音と声だけで、音楽を成立させることも僕にとってはチャレンジ。歌い方も1回ずつ変わっていて、去年はツアーを始めた頃と最後では、歌い方もギターもまったく別物になりました!経験積んで、どんどん上達しているのが自分でもわかります。

――では、客席の雰囲気で曲を変えるとか、そういうこともやっていますか?

 僕はね、わざとそれを変えない。
ライヴごとにストーリーを作っているから、セットリストはかちっと決めているんです。それはもう、僕のこだわり。音楽では、ゆるいことはやりたくない。だから演奏する時は絶対にゆるめず、きちっとやる!トークはその場の空気でしゃべるけどね。

――それが“曾我泰久”なんですね!

 性格なのかもね(笑)。音楽をやる時は、いい意味で緊張感を持ちたい。ひとりの弾き語りだから中途半端でもいいだろう、っていうのは絶対にイヤだから。ひとりでやる時は、バンドサウンドよりもいい音を出したい。“ひとりの方がいい”ってみんなに言わせたいと思っています!

 ※後編は、ユニット活動や今後の予定についてお届けします。(取材・文責:饒波貴子)

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