武漢市郊外の農村部に住む周さんの娘が姿を消したのは、2009年7月2日だった。警察が捜査したが、行方は分からなかった。
2010年5月14日午前10時ごろ、武漢市内に住む杜さんは、友人が働く家電修理店を訪れた。すると、友人が修理するテレビの中から、メモが出てきた。小さく折りたたまれていたが、「助けて!」と書かれていた。開いてみると、小さな文字で、監禁されていることと、父親の名と電話番号、住所、監禁場所と監禁した人物の氏名などが書かれていた。
杜さんによると、いたずらと思ったが、真に迫っていたので気になり、友人からメモをもらった。しかし、メモの内容を確かめるかどうかで、迷っていた。考えを決めたのは息子の意見がきっかけ。杜さんの息子は同日、街で不良青年らに金銭を脅し取られ、「周りの人は、だれも助けてくれなかった」と憤慨していた。
メモにしたがって電話をしてみると、相手は約10カ月前に娘が失踪(しっそう)した周さんだった。周さんは弟とともに、警察に連絡。周さんの弟によると、少女が残したメモにあった監禁場所は、周さん宅からわずか200メートルほどの民家。戸主は曾吉宝容疑者(39歳)で、周さんらがよく知っている家だった。
駆けつけた警察官と合流し、周さん兄弟も曾容疑者の家に駆けつけた。曾容疑者の高齢の母がいたが、曾容疑者は約1週間前に、別の強姦事件の容疑者として、警察が連行したことが分かった。家をくまなく探したが、周さんの娘は見つからなかった。周さんの弟が、家には地下室があったことを思い出したことで、隠された地下への通路が見つかった。
警察官が中に入ると、鎖で足をつながれた少女がいた。周さんの娘(19歳)と別の少女(16歳)だった。ふたりは服を着ておらず、異臭がひどかった。
曾容疑者が警察に捕まっていたため、ふたりは地下室に残された即席麺(めん)を食べて、命をつないでいた。杜さんの通報がなかったら、餓死していた可能性が高いという。少女2人は病院に搬送され、現在も警察の保護下にある。
周さんの娘はこれまで、使い終わった即席麺の袋などに、何度も助けを求めるメモを入れたという。
周さんの弟は、事件が完全に終わったら、改めて杜さんにお礼をしたいと語った。公的にも、杜さんを表彰してほしいと願っているという。
曾容疑者は近くの工場従業員で、2009年に離婚して、母親とふたり暮らしだった。口数は少なく、近所づきあいもなかったという。警察は、捜査の途中であり、現時点では詳しく説明できないとの考えを示した。(編集担当:如月隼人)
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