中国政府の公用車と言えば、多くの中国人がAudi(アウディ)やパサート、ビュイック、サンタナなどを思い浮かべるだろう。中国では街中を走る公用車の多くがこれらのブランドだ。
政府の公用車調達先リストには数十ブランドが登録されているのに、これらのブランドが特に人気を集めるのはなぜだろうか。その背後にはどういったいきさつや消費文化があるのだろうか。中国網日本語版(チャイナネット)が伝えた。

 ◆アウディは高級公用車の代名詞

 杭州のある省レベル機関の幹部は、アウディに対し高級公用車の代名詞というイメージを持っており、「私たちは副庁レベルの機関だが、保有する10台のうち、5台がアウディだ」と話す。

 浙江省には100以上の庁レベル、局レベルの機関があり、どの機関も公用車として数台のアウディを保有している。関係者によると、ここ数年、浙江省政府が調達した公用車のうち、少なくとも300台はアウディだという。

 アウディは中国でパサートと同様に有名だが、いずれも公用車不足の時代に歴史的チャンスに恵まれた。1980年代末から90年代初め、中国で生産されていた車のうち、高級なイメージを表すことができたのはアウディ100だけだった。

 長期にわたり、アウディには「高級公用車」というイメージが付与され、一種の明確な消費指向が形成された。誰かが勝手に決めたわけではなく、イメージが一般に認められ、人びとの選択を自然と左右することになったのだ。

 2009年8月7日、中国で生産されるアウディA6シリーズの販売台数は50万台を突破した。また08年以降、アウディの中国での生産・販売台数は毎年10万台を超え、2015年には20万台に達すると予想されている。


 アウディの重々しい外観、優秀な技術、特にドイツ車に一貫している控えめで穏健なブランドと文化的特徴は政府や公務員の共感を得やすいのだろう。(編集担当:米原裕子)

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