6月30日以降、中国の新疆、湖南、浙江、重慶などで市民が自分の目で未確認飛行物体(UFO)を目撃したという情報が相次いて飛び交っている。1カ月の間、未確認飛行物体に関する報告は中国国内だけでも8回確認されている。
その中で、一部はロケット、飛行機などであることが判明したが、残りの一部に対しての解釈は説得力のないままの状態が続いている。もしかしたら、本当にUFOが地球に来訪したのではないか、中国現地でも期待と不安を込めて話題となっている。

 中国科学院紫金山天文台の王思潮研究員は、最近、マスコミのインタビューに応じ頻繁に起きているUFO騒動について言及、2011年と2012年にはUFOに関する重大な事件が起きるだろうと大胆な予見を発表した。

 7月7日、杭州蕭山空港はUFO未確認飛行物体の事件で空港が封鎖され、数多くの航空機がやむを得ず寧波、無錫に着陸した。

 7月25日、北京UFO研究会は杭州蕭山空港の未確認飛行物体に関して、初めての調査報告を公表した。北京と上海の専門家が行った現地調査によれば、インターネットで広範に広がった蕭山空港現場のUFO写真の本当の正体は飛行機であり、宇宙人の空飛ぶ円盤と結び付ける根拠はまだ見つからないという(人民網(7月26日))。


 中国の領空を個人の航空機が飛行する際には申告と登録が必要となる。許可を得てはじめて飛行することができる。飛行経路は調べさえすればすぐ確認できる。本当に飛行機なら、それは空港内部の管理の混乱に起因したものと言うほかないだろう。

 事実、中国ではUFOに関する記載は、非常に古くから存在している。古文献にも数多くの記載が残っている。
中国の東晋時期(317年-420年)の奇怪小説集『拾遺記』には秦の始皇帝が「超人」と呼ばれる莫大(ばくだい)なエネルギーの持ち主と会見したということが記載されている。

 ここ数年間、多くの学者は宇宙人が地球に来訪しているという観点から上の記載を解釈している。解釈によると、高度な文明を持つ宇宙人はずっと以前から地球を訪れ、「苑渠国」という基地まで作って地球の実地調査を行ったという。その宇宙人は螺(つぶ)の形をしている「論波舟」という乗り物を利用するし、その乗り物は水陸両用であり、1日に万里も走れるという。いわば今の空飛ぶ円盤である。

 宇宙人が地球に来訪したという言い伝えは国内外で決してまれではない。
しかし『拾遺記』での記載は通常のものと比べ特異と言える。宇宙人と秦の始皇帝が仲良く接触した経緯が記載され、古い記録として残されている。一部の学者はその解釈に異議を唱えて首肯していない。現在、大多数の人を納得させられるような定説は出ていない状態である。では秦の始皇帝が接見したのは誰だ。それは学術界の謎として残っている次第である。


 筆者の調査では、UFOに対する中国国内での研究は全く異なる二つの観点によって対峙している。一つはUFOの存在を極力認め、UFOと地球外文明との関連性を認めている。その観点の代表者は中国科学院紫金山天文台の王思潮研究員を始めとする人たちである。もう一つの観点は偽科学、偽気功、ニセ名医を暴いたことで有名な司馬南氏を始めとする人たちの観点である。これらの人たちはUFO現象を「偽科学」だと指摘している。(編集担当:祝斌)

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