正陽県政府は5日午後被害者家族との和解協議について「焦点は賠償の金額だ。被害者家族の要求する額が比較的大きいため、和解に至っていない」と述べた。
地元住民によると、住民らは正陽県水利部門が進めている治水工事に反対していたという。河川改修後、川が民家からわずか5メートルに近づき、川岸の緑地も撤去されるため、安全に不安があるとして多くの住民が建設反対を始めた。
正陽県委員会と県政府はこの事故に対して調査し「女性が建設中止を求め工事現場に侵入した後、堤防から誤って転倒し、運転中のショベルカーにひかれて死亡した」と結論付けた。
携帯電話で撮影した事故当時の模様を写した動画がインターネット上に流出した。ネットユーザーからは「女性がショベルカーの下敷きになった後も、作業員は満面の笑みを浮かべていて気味が悪い」などと書き込みをしている。
住民によると、事件後、県水利部の幹部は「人が死んだら自分が責任をとる。10人で死のうが8人死のうが、阻止できるものならやってみろ」と言い放ったという。しかし、正陽県水利部の担当者は否定した。
正陽県共産党委員会の担当者は「現在被害者家族は政府の事故死という見解に納得しており、情緒も安定している。かれらは県委員会と県政府が公正な処理をするものと信頼している」とのコメントを発表した。(編集担当:鈴木朋子)
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