利益配分の欠陥以外に、香港ディズニーランドは経営にも問題があったと屠海鳴氏は指摘した。香港ディズニーランドは、アメリカ側が派遣した管理スタッフが管理を行っている。
香港特別行政区政府は出資者であるにもかかわらず、管理権を所有できなかったのである。かたくなな「アメリカ式管理」も香港ディズニーランド失敗の原因となった。

 それでは、いかにして上海ディズニーランドの経営リスクを軽減すれば良いのか?屠海鳴氏の次のように提案した。1.上海申迪(集団)有限会社は香港ディズニーランドの教訓をくみ取り、自らの利益獲得に尽力する。上海ディズニーランドは香港の二の舞を演じないように、ディズニーランドホテル、ディズニーチャンネル、ディズニー英語システムなど高利潤の関連経営項目にできる限り介入し、利益にかかわっていく。

 2.幅広い地域からの来場者を開拓する。上海ディズニーランドは揚子江デルタ経済圏に位置しており、人口の優位性を持っているが、チケット価格などの要素を考えると、上海ディズニーランドは揚子江デルタ市場のみに頼ることはできず、中国全土、東南アジア市場も開拓する必要がある。

 さらに、屠海鳴氏は次のようにも述べている。「上海ディズニーランドには中国の特色と上海の特徴を融合させる。上海ディズニーランドは設計、建設、経営において『純アメリカンカルチャー』にこだわらず、中国人観光客のニーズ、中国文化、外国スタイルを組み合わせた自らの特徴をもって、市場のニーズに応えていく」

 同時期に開かれた上海市第13回人民代表大会第4回会議において、戴海波浦東新区副区長は、上海のディズニーランドの規模が2~3倍になることを初めて明らかにし、上海ディズニーランドのテーマを中国本土の文化と結び付けるようにすると述べた。(つづく 編集担当:米原裕子)

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