韓国の国立科学捜査研究所は16日、「性接待」を苦に自ら命を絶った故チャン・ジャヨンさん直筆の暴露手紙として波紋を呼んだ手紙が偽造であると発表した。韓国メディアが続々と「チャン・ジャヨン手紙は偽物だった」と報じている。


 国立科学捜査研究所は、「暴露手紙」の原本とされる24枚の手紙と故チャンさんのノート5冊の筆跡を対照した結果、手紙はチャンさんの筆跡ではないと結論づけた。

 「暴露手紙」の筆跡は、自称チャンさんの知人で、手紙を提供した全氏の筆跡とも「不適合」と判明された。ただ、「暴露手紙」の綴字法は、全氏からの押収物にあった手紙の綴字法と似ている点があると指摘。韓国メディアは「全氏の自作劇であることを示唆」との見方を示した。

 しかし、韓国メディアは「全氏はどうやって事務所に接待室があることを知ったのか」、「31人のチャン・ジャヨン接待リストはどう入手したのか」、「SBS放送が行った筆跡鑑定結果はどう見るべきか」などと、多くの疑問を投げかけた。「チャン・ジャヨン事件は依然と多くの疑問が残る」とし、警察に対して真相の究明を促した。


 16日午後2時には、当事件の捜査を担当している京幾地方警察庁が、国立科学捜査研究所の発表を踏まえて直筆手紙だと主張した全氏に対する捜査結果を公表する。韓国世論の高い関心を集めた「チャン・ジャヨン事件」だが、再捜査の可能性は低い。(編集担当:金志秀)

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