形や色はナマコそのもの、だが口や内臓が見当たらない。このような「偽ナマコ」に計1万元の大枚をはたいた人々がいる。
訪問販売のセールス担当者は、偽ナマコを売りつけた後、行方をくらました。ナマコ販売専門家は一目で「人造ナマコ」と見抜き、極力口にしないよう警告している。北京晨報が伝えた。

 北京に住む張さん(女性)は先週、勤務先の同僚らと一箱200元の優待価格で「水で煮て戻したナマコ」を購入した。一箱に10匹入ったナマコはとても大きく、安い買い物をしたと喜び、まさか偽物とは思わなかったという。偽ナマコを売りつけた海産物販売業者は、これまでにも張さんが勤める会社に出入りしていたので、全員すっかり信用していたようだ。

 張さんによると、会社の同僚20数人でこの「偽ナマコ」を計60箱買った。値段は一箱200元前後。家に帰って食事の支度を始めた張さんは、このナマコの異様さに気付いた。水につけると水の色が替わり、よく見るとナマコには口が無く、身のトゲも落ち始めたという。同僚の1人は、異変に気付かず粥に入れて食べたところに、めまいなどの症状が現れた。ナマコの販売業者に連絡を取ろうとしたが、相手の携帯電話は二度とつながらなかった。


 
 記者が朝陽区にあるナマコ専門店に持ちこんだところ、店側は一目見るなり、「人造ナマコ」だと見破った。マネージャーは「人造ナマコの作り方はいろいろある。海藻パウダーとゴムから作るやり方が最も多い。ゴムを加えるのは、ナマコにさらに弾力性を加えるためだ。このゴム成分が複雑なため、食べることは極力避けるべきだ」と話している。また、同マネージャーによると、本物のナマコらしく見えるように黒光りさせるため、着色されることが多い。(編集担当:松本夏穂)

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