湖北省武漢市青山区にあるマンションで7月30日、エレベーターが落下する事故が発生した。途中で止まったが、乗っていた女性は「死ぬほど驚いた」と恐怖を語った。
同エレベーターは2月の定期点検で問題を指摘されたが、許可がないのに使用を再開していた。落下事故を調べた中国オーティスの技術者は「落雷で回路が破壊されていた」と説明した。中国新聞社が報じた。

 住人女性によると7月30日午後3時ごろ、15階でエレベーターに乗り下った。8階に到達したころ、エレベーターが急激に落ちはじめた。照明も切れ、内部は暗黒になったという。直後に「ドン」という大きな音が響いてエレベーターは停止した。

 携帯電話で外部に状況を伝えようとしたが、電波が通じず、エレベーターの戸をたたき続けた。しばらくして、気づいた人に助け出された。女性は「死ぬほど驚いた」と恐怖を語った。けがは特に、伝えられていない。

 マンション管理会社の張久経マネジャーによると、電源装置やリレー(継電器)が壊れていた。
事故発生後にエレベーターを調べた中国オーティスの技術者は「落雷で回路が破壊されていた」と説明した。

 同省の担当者によると、同マンションのエレベーターは2月の年次定期検査時に問題が見つかったため、改善命令を出した。再検査後に合格証を取得しないと使用できない規則だが、同マンションではエレベーターの使用を続けていた。

 管理会社の張久経マネジャーは、規則に反してエレベーターを使用していたことを認めて、「マンションには避雷針が設置されている」と説明した。

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◆解説◆
 関係者の説明が正しいとすれば、中国オーティスに7月30日の落下事故について直接の責任はなかった可能性が高い。まず、点検で問題が見つかったにもかかわらず、規則に反して使用を続けていたとすれば、管理会社側の責任になる。

 中国では高層ビルに避雷針施設が義務づけられているが、きちんと保守していないために、機能が失われている場合が相当数あるとされる。落雷による大電流が流れたとすれば、エレベーターの電気回路が破壊されても不思議ではない。(編集担当:如月隼人)

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