吉祥航空HO1112便が上海市上空で13日、「燃料切れ寸前になっているカタール航空機を先に着陸させるため、航路を譲れ」との管制の指示を無視した。HO1112便はすでに着陸態勢に入っており「当機もあと4分程度の燃料しかない」とうそを言った。両機は上海市の虹橋空港に相い次いで着陸した。
カタール航空機は管制に対して「メーデー」を通報していた。モールス符号の「SOS」に相当する緊急事態宣言で、燃料残量が残り30分以下になった場合にも認められている措置だ。
その後の調べで、カタール航空機は「メーデー」を通報するほど燃料が少なくなっていたわけではないことが分かったが、「管制にうそを言い、2機が短い時間間隔で着陸する危険な事態を招いたこと」は吉祥航空機の重大な規則違反と見なされた。
機長は中国国内での民間機操縦免許を取り消す。今後の再申請も認めない。韓国国籍であるため、韓国の航空当局にも通報する。副操縦士は暫定的に、6カ月間の操縦免許取り消しとする。
吉祥航空に対しても、経営範囲の拡大や分社設立、航空機購入を当面、認めない。
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