伝説の実験映像作家ケネス・アンガーがハリウッドでライブ演奏
ケネス・アンガーが結成したユニット、テクニカラー・スカルのライブ・パフォーマンス<br><br>【関連写真】<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1103&f=entertainment_1103_029.shtml&pt=large" target="_blank">荒木一郎の魅力に迫る、本人出演の貴重なイベント開催</a>(2011/11/03)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1011&f=entertainment_1011_048.shtml&pt=large" target="_blank">天才ピアニスト、グレン・グールドの内面の謎に迫る映画が公開</a>(2011/10/11)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1011&f=entertainment_1011_050.shtml&pt=large" target="_blank">注目作揃う山形国際ドキュメンタリー映画祭開催</a>(2011/10/11)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0914&f=entertainment_0914_076.shtml&pt=large" target="_blank">世紀のイタズラ映画を町山智浩が解説!!</a>(2011/09/14)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0831&f=entertainment_0831_044.shtml&pt=large" target="_blank">どんなTVの震災の映像よりリアルで心に響くドキュメンタリー</a>(2011/08/31)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0810&f=entertainment_0810_003.shtml&pt=large" target="_blank">謎のアーティスト・バンクシーをいとうせいこう×川勝正幸が語る</a>(2011/08/10)<br>"(サーチナ&CNSPHOTO) 画像(1枚)
 実験映画作家にして、ハリウッドの光と闇を暴く『ハリウッド・バビロン』の著者としても知られるケネス・アンガー。伝説として語られがちな存在だが、84歳の今も精力的に活動中で、去る11月19日には、自らがテルミンを担当するノイズ・パフォーマンス・ユニット「テクニカラー・スカル」としてハリウッドの野外ステージに登場した。


 このライブは、11月13日からロサンゼルス現代美術館(MOCA)で始まった、ケネス・アンガーのレトロスペクティブ展のオープニングイベントとして行われたもの。近年、ファッション業界もケネス・アンガーに注目し、昨年はヴァレンティノのショーやミッソーニのキャンペーンに映像を提供。最近では、幼少時代から好きだった銀色の飛行船をモチーフにした短編『エアシップ』も完成したばかり。

 そんなケネス・アンガーの集成『マジック・ランタン・サイクル』が、12月3日から公開される。これは数十年にわたり幾度も改訂を重ね、1980年に最終完全版のフィルモグラフィとしてまとめられたもの。神や道化師、武骨なバイカーたちといった登場人物からなる9本の作品は、ハリウッド黄金期への憧憬(しょうけい)と、現実の世界への疑い、居心地の悪さのようなものを重ねあわせ、ロマンチックに仕上げられている。
魔術、バイオレンス、夢、ドラッグ、ゲイをテーマにアンガーが創り出す万華鏡のような映像美は、マーティン・スコセッシ、デヴィッド・リンチ、デレク・ジャーマン、ミック・ジャガー、デニス・ホッパーら、ジャンルを超えたアーティストに多大な影響を与えた。

 今回の『マジック・ランタン・サイクル』の上映では、通常プログラム以外に、川勝正幸、柳下毅一郎、滝本誠、Mari Mari、釣崎清隆、五所純子ほか10名のセレクトによるプログラム“あの人が選ぶケネス・アンガー”も決定している。また、劇場では、ケネス・アンガーに魅せられたデザイナーやアーティスト6名(スケートシング、伊藤桂司、鈴木ヒラク、服部一成、河村康輔、いすたえこ)が、『マジック・ランタン・サイクル』をモチーフにビジュアルを考案したTシャツが発売される。

 ケネス・アンガー『マジック・ランタン・サイクル』は、12月3日より渋谷アップリンクほか、全国順次公開。(編集担当:駒井憲嗣)