2012年の1月3日に、肺がんのために香港で息を引き取っていたことが明らかになったばかりの、台湾の国民的歌手・鳳飛飛(フォン・フェイフェイ)。帽子をかぶって歌う姿が愛され、「帽子歌后」と呼ばれ親しまれていたベテラン歌手だけに、死の知らせは台湾の人々に衝撃を与えた。
享年60歳だった。

 台湾の各メディアは、鳳飛飛の遺骨は故郷・台湾桃園県の大溪鎮に納められることが決まり、政府関係者が記念碑や記念館の設立を希望していると報道。写真や作品を展示し、誕生日か命日を「鳳飛飛の日」と名付けて追悼したいと表明しており、家族の同意を待っているという。

 子どもの頃に大溪中正公園の近くに住んでいた鳳飛飛の面影を求めて、すでに数百名のファンが寺を訪ねており花をたむけて冥福を祈っている。「家族4人ともファンで、息子はお腹にいた時から鳳飛飛の歌を聞いていました」、「子どもの頃から病気を患っていて、彼女の歌がいつも励ましてくれました。彼女がいなければ苦難を乗り越えられなかった」など、涙を流しながら思い出を語るファンが後を絶たない。

 鳳飛飛記念館の設立について、メディア独自のアンケート調査によると515名中43%が賛成。40%は「静かに亡くなり葬儀も公表しなかった本人の意思を尊重し、派手な追悼はしない方がいい」と反対しているとのこと。残り17%は特に意見がなかったそうだが、今後の世論や遺族の意向によって結論が出されるという。(編集担当:饒波貴子・黄珮君)
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