この突拍子もないアイデアについて、楊博士はすでに「リニアモーターを使った宇宙ロケット発射技術とエア駆動問題研究」という論文を執筆済みだ。この発射システムが実現すれば、宇宙旅行の費用を抑えられる可能性があり、一般の人でも宇宙に行くことができるという。
楊文将博士は、リニアモーターを利用した発射システムを持つ宇宙ロケット発射装置について、発射原理は現在空母で広く使用されているカタパルトと似ていることを明らかにした。
リニアモーターを利用したこの原理は、現在完成度を増しているリニアモーターカーと類似するものだ。現在のリニアモーターカーは磁力による駆動で、軌道上に浮かんだ列車が前に進んでいく。列車は軌道上に浮かぶため抵抗は空気のみとなり、それにより列車の速度は時速500キロ以上に達することができる。
宇宙分野においては、1つの新技術が仮説から実用に至るまでに、非常に長期にわたる研究や実験、検証を必要とする。もしリニアモーターによる発射方式が実現すれば、廃棄物はほとんどなくなり、ガスの排気量も少なくなる。環境保全に非常に良い技術である。
スペースシャトルが2011年に退役したおもな原因は、コストの高さにあった。もしリニアモーターシステムが現実となれば、宇宙飛行のコストは大幅に下がり、普通の人でも宇宙旅行を楽しめる可能性があるという。