――沖縄国際映画祭には2年前の『ヒーローショー』で参加。今回も同じく、主演男優として参加されましたが感想は?
後藤:2年ぶりに男優として来れて幸せです! レッドカーペット歩けるっていうのは、やっぱり興奮しますね(笑)。
――沖縄でのんびり過ごす時間はありましたか?
後藤:2日間休みがあったので、嫁さん呼んでゆっくり休みました。
福徳:1人で遊びました(笑)。ジョギングして免税店行って。でも目当ての物がなくて、買い物できませんでした。
――上映された『営業100万回』について。自分自身を演じた訳ですが、脚本を受け取った時の感想は?
後藤:前作『ヒーローショー』は“こんなことできんのかな!?”って思ったんですけど、今回は完全に自分役ですぐイメージできました。
福徳:死ぬの早いな~って思いましたね。最初は全体的な話がわからなかったので、死ぬ場面がすぐ来て“あれ!? どうなるんだろ~、幽霊の話かな”と。不思議な話でしたね。
――何度も死んでしまうのは、演じててつらいですね。
福徳:そうですね。つらい撮影でした(笑)。毎回撮ってましたから、一応。
――ジャルジャルらしさが出ていましたが、アドリブが多かったのでしょうか?
後藤:台詞決まってないような場面もあって、脚本にはない感じでやりました。
福徳:僕が腹話術するシーンも“ほんとにやってる”ってことで(笑)。
――最後はメッセージ性がありホロリと来ますね。2人の素顔も垣間見れた気がしました。
福徳:地元の人とからむとこは、普通にしゃべったんです。あれは本当に素ですね。
後藤:ほぼずっと素やったんちゃうかな~っていう位、演技した感じはなかったですね。
福徳:でも「ドリランド」というゲームはやってません(笑)。
後藤:そうそう、やってない。用語とかよくわかんなかったです(笑)。
――印象に残っている、撮影エピソードを教えてください。
福徳:甲冑(かっちゅう)着るのに、めっちゃ時間かかったんですよ。そしてめっちゃ痛い! 歩くたんびにささったりして、傷できて。むちゃくちゃ重くてしんどくて、体張ってます!
後藤:お猿さんが出てくるんですけど、絶対目見たらダメなんですよ。目見たらグワッって襲ってくる。共演のくまだまさしさんに襲いかかろうとするのは、そういう芝居やったから。
――好きなシーンはどこですか?
後藤:撃たれてフレームアウトするシーン。何回もいろんなバージョンやって、ムチウチになったんで、思い入れありますね(笑)。
福徳:最後「来るな!」って言うた2人の女の子が来てしまって、撃たれてうわ~って叫ぶんですけど。声が飛んだんで……思い入れはあります、あのシーンに。
――共演者が相方っていうのは、やりやすいんですか?
後藤:2人のシーンやと、笑っちゃいそうになりますね。
福徳:「客全員笑かそうぜ」とか、そんな台詞言うた時、“そんなの言わへん”みたいな顔をしてる感じがしてしまうんですよね。どうしても。
後藤:普段そんな言わんのに、なんでこんな言うてるんやろうと思いながら。
福徳:心から演技せいや(笑)!
後藤:でも! 本人役やから、2人のシーンもやりやすい。それが僕ら役じゃなかったら、恥ずかしいっすね(笑)。
――相方を俳優として見るといかがでしょう?
後藤:演技は申し分ないですけど、俳優としてやってくにはちょっと……顔が四角過ぎるかな~(笑)。せばまってるなっていう。もったいない!
福徳:僕も演技は申し分ないなと思うんですけど……実はスネ毛濃すぎるなっていう。
後藤:映ってない(笑)!
――テレビ東京でご活躍の濱谷晃一氏がメガホンを取った作品ですが、どういうタイプの監督でしたか?
福徳:好きにさせてくれる割に、違うとこはちょい違うみたいな感じでくるというか。しかも違うとは言わずに、今度はこっちのパターンみたいな。なるほど今のちゃうかった~と思ってました(笑)。
後藤:物静かで物腰のやわらかい方なんですけど、芯がしっかりしてる。こういう風に撮りたい、みたいなのが自分の中にあって迷ってないから、スムーズに進んでいきました。
――エリートですぐ売れっ子になったイメージのあるジャルジャルさんですが、実際に営業したことありますか?
福徳:何回も何回もあります。学祭やスーパー。
後藤:ゲームセンターとかね。いまだにあります。
――つらい思い出はありましたか?
後藤:ありますよ~。デパートの屋上で雨降ってきたりとか、結構キツかった。屋外で雨の中、お客さん笑うはずないし(笑)。
――この映画は結成10周年突入の記念作品にもなりますが、振り返るとどんな10年間でしたか?
福徳:早かったですね~。3年目位の時は、早く10年目とかならんかな~、どんな感じやろうな~っとか思ってたんですけど、こんなすぐ来るとは思わなかったですね。思い描いていたものとは違います。10年前18歳の時、女優と結婚してグラビアアイドルと浮気してるっていう夢描いてたんですけど、全然叶わないです。
後藤:僕は10年前よりは、確実にちょっと虫歯が増えてるな。時間の経過感じますね。そしてお金使っても使っても、なくならんぐらい儲けてんのやろな~と思ってましたけど、使ったらやっぱりなくなります(笑)。
――10年目迎えて新たな思いはありますか?
福徳:この前中学生位の子に「低学年の時めっちゃジャルジャル好きやった」って言われて。
後藤:次の感じが30代からだとしたら、20代の内に思いつくことをいっぱいやっとかなきゃって思いますね、30歳ってなんか、もう一個上にあがってる感じがするんで(笑)。具体的には……虫歯を直す。そっから始めな、なんにもできない。
――映画出演も、コンスタントに続けたいスタンスですか?
後藤:映画は自分らで決められない。話が来たらさせていただきます。
福徳:ドラマよりかは、映画がいいと思うんですね。井筒監督の話聞いて、いろいろ仕込まれたんです。ドラマがどんだけダメか、みたいなことを(笑)。映画は逆にすごいなっていう感じです。しょぼいのもあるなって時々思いますけど。
――では改めて、新作『営業100万回』を紹介してください。
後藤:お笑いファンの人やったら、ほんまに楽しめるし。お笑いファンじゃなくても、営業ってのがあるんやってわかる。誰が見ても面白い作品です。70分という上映時間もちょうどいい(笑)。
福徳:お笑い芸人はテレビだけじゃなく、いろんな所で活動しているってことを、みなさんにわかってほしいですね。
――ファンの方は学生さんが多いですか?
福徳:もう、そんなことないです。
後藤:ライブ来てくれる方の年齢は、徐々に上がっていくもんですね。いつまで来てくれるんですかね~。
福徳:でも見なくなるファンもいますよ。毎日来てたあの子、最近顔見いへんなって。チェックしてます(笑)。
――これからの予定は?
福徳:7月に初の全国ツアーをします。
後藤:北海道から沖縄まで、全国10か所回ります!
2人:みなさん、ぜひ来てください!(取材・文責:饒波貴子)