河南省鄭州市内で3日午後6時ごろ、運行中のバス内で「火事だ!」との怒号がとびかい、乗客がパニック状態になる事態が発生した。一部乗客は、窓ガラスをたたき割って飛び降りた。
乗客が逃げた後の車内では、備え付けの消火器の内容物が漏れ、ひとすじの白煙状になって、たなびいていた。中国新聞社が報じた。

 夕方のラッシュ時で、車内は混んでいた。鄭州市内を運行する85路バスが鄭〓路と玉鳳路の交差点付近を走行中、車内で「火事だ!」という怒号が上がった。火事発生が確認できたわけではないが、運転士は直ちに停車し、ドア2カ所を開放した。(〓はさんずいに「卞」)

 乗客はパニック状態になった。ドアから遠い場所にいた人が、窓ガラスをたたき割って飛び降りた。後部の大きな窓ガラスは完全に破壊された。フロントガラスもたたかれて、穴があいた。

 「あわてないで。消火器が煙を出しているだけだよ」との声が聞こえたが、逃げたという乗客もいる。

 乗客が逃げた後の車内では、備え付けの消火器の内容物が漏れ、ひとすじの白煙状になって、たなびいていた。
バス会社関係者によると、鄭州市内で運行しているバスは、緊急時に外側に向けて開くことができる窓が、最少でも4カ所、設けられている。火災が発生した場合でも、落ち着いて行動してほしいという。

 バス会社は、窓ガラスを割った乗客に弁償を求める考えのないことを明らかにした。(編集担当:如月隼人)
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