艾未未氏は同日夜、Twitterで発言、コンサートの前に10分ほどエルトン・ジョン氏と面会したことを明かし、エルトン・ジョン氏と一緒に写った写真を公開した。
エルトン・ジョン氏の発言に対し、中国共産党の機関紙・人民日報の国際専門紙である環球時報は社説を発表し、「観衆は彼の歌を聞くために集まったのであり、政治的主張を聞くために集まったわけではない」と切り捨て、エンターテインメントに政治を持ち込んだと批判した。
2008年3月、アイスランドの歌手のビョークが上海で行われたコンサートでチベット独立について発言して大きな波紋を呼んだが、今回のエルトン・ジョン氏の発言について、社説は「エルトン・ジョン氏と同じように政治的発言をする外国人アーティストが増えるようであれば、今後は外国人アーティストの招請も慎重な検討が必要になる」との見方を示した。
中国がエルトン・ジョン氏の発言に敏感に反応した理由は、中国が艾未未氏を「好ましからざる人物」として捉えていることにある。
艾未未氏は2008年に発生した四川大地震で、多くの子どもたちが倒壊した学校の校舎の下敷きになって死亡したのは当局の責任であると主張したほか、12年9月に中国全土で発生した反日デモは中国政府の後押しがあったと主張した。(編集担当:及川源十郎)