事故があったのは浙江省杭州市蕭山区内の賃貸住宅。爆発で帰宅した男性は屋外に吹き飛ばされた。男性は安徽省出身で、杭州市内で働いていた。妻と子がいたが、2人はまだ帰宅していなかった。
爆発で、隣室との間の壁も崩壊した。室内は、崩れ落ちたレンガと散乱した家具で足の踏み場もない状態になった。冷蔵庫やテレビも吹き飛んで壊れた。天井からは、ちぎれたコードなどが垂れ下がった。隣室にいた男性も負傷した。
屋外に吹き飛ばされた男性は「まさか、ドアを開けた直後に爆発で吹き飛ばされるとは思わなかった」と述べた。同男性は気を失い、救急車で病院に搬送された。
帰宅とほぼ同時に爆発が発生したので、「爆弾を仕掛けられたのでは」などのうわさが発生した。しばらくすると「遠隔操作の爆弾を見た人がいる」とのデマも流れた。
現場検証を繰り返した結果、事故の発端は、住人がガス器具を取り付ける際に、レンガの壁に穴を開けてガス管を通したことだったと分かった。部屋にはネズミが住み着いており、レンガとガス管の間を自分の通路にしようとして、ガス管もかじったために穴が開き、ガスが少しずつ漏れる状態になった。
爆発が発生した日には、住人男性と妻は仕事で、子どもも学校に行っており、長時間にわたって部屋が締め切られた状態になっていた。午後6時までに、室内ではガスが爆発に適した濃度になり、帰宅した男性が電灯をつけた瞬間に、電気火花でガスが引火したとみられる。
警察によると、蕭山区内では過去1年間に同様の爆発が6回発生している。冬になると部屋を閉め切ることが多いので、さらに危険になるという。警察は、ガス管やガス器具の点検を行い、帰宅時にガスの匂いを感じた場合には、「ただちに元栓を閉めて、部屋に空気を通してから、部屋の外に逃れて通報してほしい」と住民に呼びかけた。(編集担当:如月隼人)