中国メディア・新華網は24日、黒龍江省にある服役囚の看守所で、看守らが死刑囚の「最後の誕生日」パーティを行い、死刑囚が「家庭の温かみを知った」と感涙したと伝えた。

 19日昼、同省牡丹江市にある看守所はろうそくの明かりが灯る中、祝福ムードにあふれていた。
2年前に強盗殺人罪で死刑判決を受け、間もなく刑が執行される男性死刑囚の38回目の誕生日を祝うためだ。

 厨房(ちゅうぼう)からは特別に数品の料理が提供されたほか、誕生日ケーキも用意された。パーティでは警官が死刑囚に酒をすすめ、ケーキを切った。そして、看守所の職員が「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」を歌った。

 この死刑囚は入獄後、家族や親戚からの音信が途絶えたという。誕生日が近いことに気付いた職員の発案により、パーティが実現した。「最後の誕生日」を盛大に祝福された死刑囚は「感謝している。家庭の温かみを再び感じさせてくれた。来世でみなさんの恩情に報います」と涙をこぼしながら語ったという。

 看守所の林凱所長は「死刑囚も人。誕生日を祝ったのは、死刑囚に人生最後の尊厳を与えるため」とコメントした。(編集担当:柳川俊之)
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