軽快でノリのいい「Up Beat」、「ハダカノココロ」で幕を開けたライヴは、演奏をつとめるプレイヤーがとにかく強力! ドラムはファンキー末吉、ベースは和佐田達彦という爆風スランプのリズム隊で、天才ギタリストの呼び声高い田川ヒロアキも参加。バイオリン&ピアノのインストルメンタル・ユニットsourcesも加わり、重厚感あふれるゴージャスなサウンドが奏でられた。
同日早い時間に、野村義男とのアコーステック・ユニット「ON & OFF」のライヴを終えていた曾我は、「エレキギターを持つと人格が変わる!」と激しいステージを展開することを笑顔で匂わせ、正月休みに駆け付けた観客に感謝。「新年の区切りとして、そして50代突入にあたって、音楽と人生を楽しく歩んでいきたいと思います」と宣言した。
「OH・MY・GOD!!」、「Go Ahead Again」、「One More Kiss You!」といった心地良いナンバーが続いた後は、曾我のことを“やっちん”と慕うゲスト・ミュージシャンたちが次々登場。
そしてステージをよりホットにしたのは、ミュージカル界のトップスター・石井一孝。舞台共演をきっかけに息投合した曾我と石井は、一緒にアルバムを作ったこともある15年来の親友同士。思い出話に花を咲かせ、久し振りにコラボライヴをやろうと約束した。
ゲストコーナーが終わると、愛にあふれたバラード「君の歌」、約10分のロングヴァージョンで演奏した異国感あふれるサイケな「Another Wolrd」など聞かせポイントが盛りだくさん。
アンコールは「ほんとに楽しいな~!」と喜びにひたる、曾我の笑顔でスタート。「21st Century」と共に演奏メンバーとゲストを改めて紹介し、全員で「愛を育てよう」を大合唱。ケーキが運ばれ曾我の誕生日を祝う場面もあった。「40代最後の今日は、一生忘れないだろう充実したバースデー・イヴになりました。がむしゃらに走った40代でしたが、50代も楽しい時間を重ねながら一歩ずつ歩んでいきたい」と語り、会場の全員に感謝した曾我。
前へと向かう姿が楽曲を通して伝わり、またたくさんの仲間とファンに愛される理由が垣間見れたような、ミュージシャン曾我泰久のパワーと素顔を感じたスペシャルなライヴだった。(取材・文責:饒波貴子)