オーストラリアの議員で富豪としても知られるクライブ・パーマー氏がこのほど、中国について「自国民を虐殺したろくでなし」、「雑種」などと批判したことに対し、中国共産党機関紙・人民日報系の環球網は社説で２０日、「中国を雑種呼ばわりしたパーマー議員を許してはならない」と論じた。

　同社説では、「オーストラリアのアボット首相はパーマー議員を批判したものの、中国はパーマー議員を許すことはできない」とし、パーマー議員個人およびパーマー議員の会社に対して中国は制裁を行うべきだと主張。


　さらに具体的な制裁内容として、「パーマー議員およびパーマー議員の会社関係者の中国への入国禁止」を挙げたほか、「オーストラリア経済は中国との貿易に対する依存度が高い」とし、パーマー議員の会社と取引のある会社も制裁の対象としても良いと論じた。

　続けて、中国はオーストラリアに対していつでも温和であってはならず、「われわれが不快な思いをした時には挑発した者に対してそれなりの代価を支払わせなければならない」と主張した。

　パーマー議員の発言や環球網の社説に対し、中国版ツイッター・微博上での中国人ネットユーザーらの反応を見てみると、意外にもパーマー議員の主張に同調する意見が多く見られ、「パーマー議員が批判した対象がわが政府ならば、それは正しい。わが政府は中国人民を虐殺したのは確かだ」、「いやぁ、パーマー議員の発言ですっきりしたなぁ」といったコメントが多く寄せられた。

　微博上では中国政府を公然と批判する中国人ネットユーザーのほか、パーマー議員を称賛する声もあり、「こういう人がオーストラリアの首相になるべきだ」などのコメントも見られた。環球網の社説とは裏腹に、中国人ネットユーザーの多くは意外にも「パーマー議員の主張は正しい」との認識を持っているようだ。（編集担当：村山健二）


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