林被告は09年5月1日夜、盗みの目的で愛知県蟹江町の会社員、山田喜保子さん宅に侵入し、山田さんと次男を殺害、三男を負傷させた。林被告は現金20万円などを奪って逃げたが、同年10月に別の窃盗容疑で逮捕された。蟹江町の犯行現場に残されていた唾液と林被告のDNAが一致した。
松田俊哉裁判長は「強固な犯意に基づく冷酷な犯行で、極刑を回避する特別な事情はない」、「公判で不合理な弁解を繰り返し、反省も真摯(しんし)なものとは認めがたい」として、林被告に死刑を言い渡した。
中国でも多くのメディアも同判決を報じた。環球網は、林被告が当時、三重大学の学生であったことや、犯行の状況や逃走から逮捕までの状況を紹介。さらに、弁護側の「蟹江町での犯行当初は(強盗ではなく)窃盗目的だったが、(家屋侵入を)山田さんらに見つかり、動転して殺害した」などの主張にも触れた。
同記事の配信は20日午後4時(日本時間同日午後5時)。日本時間21日午前9半現在、寄せられたコメントで、「いいね」が最も多いのは「中国で違法薬物を運んだ日本の市議には、どうして今に至るまで判決が出ないのだ?」だ。
「中国で違法薬物を運んだ日本の市議」とは、広東省の広州白雲国際空港で2013年、覚醒剤(かくせいざい)3.3キログラムを所持していたとして当局に身柄を拘束された、愛知県稲沢市議、桜木琢磨被告を指すと思われる(解説参照)。
林被告への死刑言い渡しを伝える記事に対して、「いいね」が次に多かったコメントは「死刑言い渡しは当然」のコメントだ。
林被告については「死刑判決は絶対に当然だ。日本に行って右翼を殺したり靖国神社に放火したなら、過激思想の私はあなたを男として尊敬する。しかし、庶民を殺して財物を略奪するのでは、かつて中国を侵略した日本軍の畜生と、何の違いもないではないか。死んでも国家の面子(メンツ)をつぶす奴だ」などのコメントもある。
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◆解説◆
桜木被告は、覚醒剤が入っていたスーツケースは「ナイジェリア人の妻から渡された」、「中身は知らなかった」などとして犯意を否定し、裁判で争っている。
中国では裁判の進行が速く、3カ月程度以内に判決が言い渡されることが多いが、桜木被告に対する裁判は長引き、さらに広州市の中級人民法院(裁判所)は1月26日、同月下旬に判決言い渡しを延期すると弁護側に通達した。(編集担当:如月隼人)
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