地元メディアは「中国人観光客が爆発的に増え、スイスの観光客は車内で“身も心も押しつけられた”状態」と紹介。「中国人が車内で所かまわず痰を吐く。くつにかかった」との苦情も寄せられているという。
リギ鉄道は、中国人客と他の客の衝突を避けるため、7月に「アジア人専用列車」の試験運行を始めた。9月には正規の運行とする。
環球網によると、「中国人差別の疑いもある」として、リギ鉄道に問い合わせた。リギ鉄道側は「地元メディアの報道には誇張がある」と主張。「私どもは、中国のお客様を歓迎します。ただ、人数が大幅に増えているのは事実です」と説明した。毎週15-20往復のアジア客専用列車の運行を定着させるという。
リギ鉄道は「もちろん、中国のお客様は、一般の列車もご利用できます」、「中国のお客様のおかげで、リギ山周辺の地域経済が活性化しています」と説明したという。
リギ山周辺の観光地では、中国人観光客の増加に対応して、トイレ清掃を強化しているという。
環球網によると、記者が実際にリギ鉄道に乗ったところ、普通に着席できるなど、混んでいることはなかった。同じアルプスでもユングフラウなどに比べれば、リギ山を知る中国人は、それほど多くないという。
1カ月ほど前にリギ山を訪れたスイス人に尋ねてみても、中国人観光客のマナーは悪くなく、ごみも持参した袋に入れて持ち帰っていた。ただし「場合によって、中国人の話し声が大きい」ことは感じたという。
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◆解説◆
リギ山はスイス中央にある。ふもとにはルツェルン湖、ツーク湖、ラウエルツ湖がある。スイスの山岳観光が盛んになった19世紀には、欧州各地から王侯貴族や芸術家が訪れた。明治維新直後に欧米に派遣された木戸孝允、山口尚芳、岩倉具視、伊藤博文、大久保利通らからなる岩倉使節団も1873年にリギ山を訪れた。
リギ鉄道は欧州最古の登山鉄道として、1871年に開通した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF、リギ山山頂からのながめ)
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