中国では2011年ごろから「援交」または「援助交際」という言葉が社会の関心を集めるようになった。日本で女子高校生などが行う売春行為の隠語が一般化し、中国にも伝わった。
中国でも経済先進地域で「迅速に蔓延」するようになった。最近になり、広東省のテレビ局「南方電視台」が同問題を扱ったことで、改めて注目されるようになった。

 中国ではこれまで「援交」問題について「一切が金銭で解決できる風潮」、「生徒や学生の管理の欠如」、「教育の失敗」、「恥の概念の零落」などが原因と説明された。上海、北京深セン(広東省)、珠海(同)、広州(同)、仏山(同)など各地で、警察が介入する案件が発生したとされる。

 南方電視台の番組内容を、中国の多くのメディアが追随報道した。番組内容が、あまりにもショッキングだったということがある。

 取材に応じた女性は「今年20歳で、広州市白雲区になる単科大学の2年生」と名乗った。ただし同番組は「自称」として、女子大学生とは断定しなかった。なお、中国では「援助交際」の語が、日本より広い意味で使われている。

 同女性は、インターネットのチャットを利用して“援助交際相手”を募集している。「1回1600元(約3万円)。口ではしない。
避妊具必須」、「キスはしない。口以外にならキスを受け入れます」、「1晩なら3600元(約6万8000元)」など、極めて露骨な文言が並ぶ。また、場所は豪華ホテルだけで、安いホテルはお断りとも宣言している。

 女性によると“援助交際”を始めたのは大学1年生の時。友達に紹介された。最初は抵抗感があったが、気にならなくなった。相手はIT業界人、広告業界人、自営業などさまざま。大学に入学したての男性もいたという。

 家族も同級生も“援助交際”をしていることは知らない。同女性は、そもそも「人と人との交流がとても少なくなった」と説明した。しかし“援助交際”交際をしている女子学生が増えており、低年齢化していることも知っているという。さらに“相手”も低年齢化しており、20代前半の場合もあるという。


 中国メディアは特に注意しなかったが、相手側の男性が低年齢化していることは、貧富の格差が反映していると理解できる。例えば通常の大学生ならば、自力で多額の金銭を稼げるとは考えにくい。たいした詮索なしに、親がまとまった金額を渡してくれる境遇と考えるのが自然だ。

 同女性によると、“援助交際”で得た金銭は全部旅行をするのに使ってしまう。同女性は「旅行って、お金がかかるでしょう。私はみみっちく遊ぶのが嫌いなの」と説明したという。(編集担当:如月隼人)

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◆解説◆
 中国では10年ほど前から、「性関連の日本語」が広く使われる現象も発生している。例えば、「成人向け映像作品出演女性」を指す言葉として「女優」との用語が広まった(読みは「ニューヨウ」)。中国語では俳優が「演員」で、女性ならば「女演員(ニューイェンユエン)」だ。日本の成人向け作品のパッケージまたは紹介文で「女優」という漢字を目にして、そのような分野の出演者を特に指すと誤解したとされる。

 中国では、自国出身で日本で活動する女性芸能人が「日本で“女優”をしている」として、騒ぎになったことがある。同芸能人を紹介する日本語の文章が中国語に翻訳された際に「女優」の漢字表記がそのまま残り、誤解されたとされる。
(編集担当:如月隼人)(写真は新浪網の8日付報道の画面キャプチャー)(イメージ写真提供:123RF)


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