正月に里帰りして玄関のドアを開けたら、コスプレした80歳の祖母が出迎えてくれた。しかも「お前と話がしたくてね、おばあちゃんがんばって『2次元』を勉強したんだよ」と言われた・・・。
そんな光景が、中国吉林省で先日繰り広げられた。

 中国メディア・北京晨報は1日、今年の春節に留学先の日本から同省長春市に一時帰国した女子留学生が、実家に入ると82歳の祖母がコスプレをしており、「一緒にコスプレ大会に出たい」と言われ仰天したと報じた。

 女子留学生は小さいころから祖母になついていたが、「2次元」やコスプレなどの日本のサブカルチャーに興味を抱き、のめり込むようになってから2人の間に「溝」が生まれ、共通の話題も少なくなってしまったという。「孫娘との距離を近づけたい」と考えた祖母は、日本の「2次元文化」について学ぶことを決意。アニメなどの動画を鑑賞し、そこにまさに弾丸の如く流れる文字の「弾幕」で使われるスラングの意味を逐一調べ・・・という「苦学」に取り組んだという。

 多い日には携帯電話の音声検索機能を使って100回以上調べたとのことで、それを見た家族からは「ばあちゃん、ボケてしまったのか」と疑われたそうである。

 記事では祖母の並々ならぬ努力に対してどういう反応を示したのかについては具体的に紹介していないのが残念だが、家族は「2次元にハマったことで、ばあちゃんが若返った。前はソファで座ってしゃべってただけの毎日だったのに、今はとても充実しているみたい」と好意的に受け入れているとのことだ。

 子どものころ、リビングでテレビゲームをしていたら、ちょうど居合わせた祖母に「こんなもの、面白いかねえ」と言われたことを鮮明に覚えている。時代が流れる以上、世代間にギャップが生まれることはやむを得ない。ただ、互いに「歩み寄り」をする努力はできるはずだ。あまり無理をすると子や孫にかえってそっぽを向かれるかもしれない、という点には注意しつつ、理解を示すことは大切なのだ。


 孫娘である女子留学生が祖母の思いを受け止めて、2人で手をつないでコスプレ大会に参加してくれていたらいいな、と思う。(編集担当:今関忠馬)(写真は北京晨報の1日付報道の画面キャプチャ)


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