ファストフードという言葉は西洋からやってきたものだが、日本には究極のファストフードと言っても過言ではない文化がある。それは、立ち食い・立ち飲みの文化だ。
仕事帰りにちょいと一杯引っ掛けたい、ゆっくり座って食事している時間がない、といった時に重宝するのである。

 中国メディア・今日頭条は、この素晴らしき日本の立ち食い・立ち飲み文化について実体験を通じて紹介する記事を掲載した。記事は、日本には店の中に全く椅子がない飲食店や居酒屋があり、その種類はラーメン屋や焼き鳥屋、さらには洋食レストランまで多岐にわたり、「もはや日本の独特な飲食文化の1つとなっているのである」と説明。そのうえで、日本に行った際に初めて体験した「立ち食い店」について紹介している。

 「立ち食い店」の初体験は、大阪にある立ち飲み居酒屋だったようだ。好奇心で店の外から眺めていたところ、常連客から熱心に「呼び込み」をかけられ、成り行きで入ることになったのだという。記事は、年配の常連客が拙い英語で熱心に注文を手伝ってくれたことを紹介。「酒が入ると、人というものは実に気持ちよくなるものだ」と評した。

 そして、立ち飲み居酒屋の客の多くは「仕事帰りに、ちょっと寄って1日の疲れを酒で癒し、帰っていく人」であるとも説明。また、礼儀を重んじルールの多い日本にありながら、立ち飲み居酒屋ではマナーやしきたりを気にすることなくリラックスできるとし、食べ物を頼まず酒を1杯注文してグイッと飲むだけでも店を出ることができるとしている。

 記事はさらに、鉄道の駅でよく見かける立ち食いそば店についても紹介。立ち食いそばが日本の立ち食い店の元祖であり、通退勤時の朝食、夕食を取るのに便利であると解説した。


 一口に立ち飲みと言っても、一部地域で「角打ち」と呼ばれる、昔ながらの狭いカウンタースタイルから、広い空間を確保したものや、洋風でおしゃれなものなど多様化しており、女性客も入りやすい店が増えているようだ。長っ尻にならず、サッと飲んで帰れるのも立ち飲みの魅力だ。

 11月11日は「立ち飲みの日」なのだという。「1」が立ち飲み客を想起させるからとのこと。近年では関連イベントも開催されている。忘年会にはちょいと早いが、気の合う仲間同士で立ち飲みに興じてみてはいかが。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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