記事は「歴史的に見ると、職人は現代社会以前の社会層だ。彼らの作業や労働は、主に自らの手によって完成される。産業革命後、機械化による大規模生産が手工業に代わり、徐々に職人に対する扱いは冷たくなっていった。しかし、大規模生産の時代に入っても、製品の精度や品質を求めるうえで、職人気質は欠かせないものなのだ」とした。
そして、現代の日本では「職人という言葉には、極めて大きなリスペクトが込められている。ある分野において非常に専門的で抜きんでた力量を持っている人が初めて、職人と呼ばれるのだ」と説明。その一方で「はっきり言って、多くの中国人は職人に対して内心で偏見を抱いており、見下しさえしている」と指摘している。
記事は、中国人が職人を軽視してきた背景の1つに、ある儒教思想に基づく考え方があると分析。「儒家による『読書だけが尊く、万般はみな下等なり』という理念に基づき読書こそが王道となり、職人が頭角を表せなかった。それがある程度において古代におけるわが国の科学技術の持続的な発展を妨げた。今の状況も予断を許さない。みんな役人や社長、スターになりたがり、商売に夢中になる。
そして最後に「現在、中国における職人や職人気質に対して、知識エリート層から一般市民に至るまで、客観的かつ公平な認識が欠けているのだ」と結んでいる。
古代より「発財」、そして「発財」による一族の繁栄と安泰が人生のテーマだった中国社会。現代に入って価値観が多様化したといっても、このテーマは依然として中国人の行動様式をかなりの部分で支配している。それならばやはり、各分野の道を究めることで、「発財」と家族の安泰が実現できる制度を作る必要がある。精神論だけでは飯は食えないのだから。(編集担当:今関忠馬)(イメーシ?写真提供:(C)totao/123RF)
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