1月に知事に就任した米カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は12日、ロサンゼルスとサンフランシスコを結ぶ高速鉄道の建設計画を撤回すると表明した。現状の計画ではコストと時間がかかり過ぎるためとしている。
中国メディアの環球網は13日、米国最大の高速鉄道プロジェクトは「終わった」として、この「悲報」を伝える記事を掲載した。

 この計画は約840キロを3時間程度で結ぶもので、2033年の完成が予定されていたが、一部の地方路線のみに縮小することになった。2015年に安倍総理が現地で新幹線車両などを売り込み、日本企業も参入を検討していたが、記事はこの計画は中国とも無関係ではないと主張。この計画を支持していた前カリフォルニア州知事のジェリー・ブラウン氏は、2013年と2017年に訪中した際、中国高速鉄道に乗り称賛していたと紹介し、そのおかげでこの計画は有名になっていたのにと残念そうに伝えた。

 しかし、なぜ今になって撤回するのだろうか。この計画は2008年には始動しており、当時住民投票で州債発行が承認されている。しかし、総工費は当初予算の倍に膨れ上がり、工事期間も4年延期されたという。2015年の着工時にも、多くが未決定のままだったと伝えている。

 このため、新知事が計画のほとんどを撤回すると決定したのには、十分な理由があったといえるだろう。短期間で国内に高速鉄道網を張り巡らした中国からすると、「世界最強である米国になぜできないのか」疑問に感じるというが、これは米国ならではの事情があるようだ。米国は自動車社会であり、飛行機での移動も非常に便利だ。日本や中国と違い、これまで高速鉄道が発展する必要性がなかったということだろう。


 しかし記事は、自動車社会の米国に対し、「環境保護のために高速鉄道を発展させる」ように求めている。鉄道の方が自動車や飛行機よりもエコだからとの理由のようだが、環境問題で中国は他人のことを言えるのかというのも大きな疑問だ。中国高速鉄道は非常に発展したが、それでも大気汚染はいまだに深刻である。まずは中国国内の環境改善を期待したいところだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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