中国メディア・参考消息は13日、「中国のアニメ業界で新勢力が覚醒し、日本のアニメ王国の地位を脅かそうとしている」とスペインメディアが報じたことを伝えた。

 記事は、スペインの「中国政策観察」サイトが10日に発表した文章の概要を紹介。
「アニメは日本文化の重要な一部であり、日本は長きにわたり『アニメ王国』と呼ばれ続けてきた。また、日本政府の推進のもとで国際市場の拡張が行われ、中国に向けては単なる娯楽製品に留まらず、今や公共外交の柱の1つになっている」とした。

 一方で、このような状況に2016年ごろから異変が生じ始めていると説明。日本のアニメ界における中国の地位が変化しつつあり、アニメの制作者クレジットの中に中国人の名前が多く見られるようになったばかりでなく、日中合作アニメ「霊剣山」の誕生をきっかけに日中共同制作のモデルが常態化していったと伝えている。

 そのうえで、中国アニメが日本市場で急速に拡張する背景として、両国関係の改善が、両国のアニメ企業間の協力にもポジティブな影響を生んでいること、中国のアニメ業界がこれまでとは異なる新しい協力のモデル構築を望んでいることがあると指摘。長年の経験により蓄積したハイレベルな人材群も、中国のアニメ業界がより収益性の高い協力モデルを模索する原動力になっていると解説した。

 そして、最後に「現在、中国のアニメ作品は依然として日本の助けを必要としてはいる。しかし、中国アニメもやがては日本アニメから抜け出して自らの新境地を開くことだろう」と結んだ。

 近ごろ、日本のアニメ業界において制作者の長時間労働や低賃金に関する問題がしばしば取り沙汰されている。労働者の待遇はそのモチベーションに大きな影響を与えるが、特に創造性や技術力が要求される分野では業界全体の停滞を招きかねない。日本のアニメ産業がこれからも長期的に発展していくための体制づくりが急務になっているようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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